米国製人工呼吸器の大量輸入に懸念の声 メーカーが「国産余ったらどうするの?」

2020年05月28日 16時00分

安倍晋三首相(ロイター)

「国産が余ったらどうするのか」。新型コロナウイルスの影響でマスクや防護服など医療物資の不足が問題となっているなか、人工呼吸器をめぐって国内の医療機器メーカーから懸念の声が上がっている。安倍晋三首相がトランプ米大統領との電話協議で、米国製人工呼吸器を1000台程度輸入する方向で購入を約束していたことがこのほど一部で報じられた。今月初め、米政府が日本側にこの話を持ちかけた際、日本側はすでに増産を進めていたため「不足は起きていない」と答えたという。だが、世界各国で医療機器の確保が課題となっていることから、首相官邸内で再検討し、感染拡大の第2波に備えて購入することに変更したようだ。

 一方で政府は先月、コロナ感染拡大を受け、今後マスクや人工呼吸器などの医療製品は海外からの輸入が困難になるとして、国内の医療機器メーカーに増産を要請した。要請を受けたメーカーの関係者は、こう不安をあらわにした。

「国の要請を受けて、人工呼吸器の製造を始めた。1000台を販売する予定だが、今は新型コロナの患者数も減少している。他にも人工呼吸器を製造しているメーカーはあるのに、新たに米国製が1000台も増えたら、せっかく製造した人工呼吸器も需要がなくなってしまうのではないか」

 ネット上では「米国から購入した人工呼吸器はどこかの倉庫に備蓄するのだろうか」などの声が上がっている。

 前出のメーカー関係者は「医療機器は臨床工学技士が一つひとつ点検しているため、その量が増えるだけでも大変。結局、扱える人も少ないので増やせば良いという話でもない。病院側としても無駄に置いておくのは避けたいところ」と話す。

 コロナ第2波に備えるためとはいえ、米国製人工呼吸器の輸入は本当に必要なのか。