橋下氏の台風そっちのけ選挙ツイートに怒りと失望の声

2013年09月18日 11時00分

 大型の台風18号が日本列島を縦断し猛威を振るい、福井、滋賀の両県、京都府の全域に、運用が始まったばかりの特別警報が出された。まさにそのころ、京都から遠からぬ大阪市の橋下徹市長(44=大阪維新の会代表)は、前日に公示された堺市長選(29日投開票)のツイートを連投。台風そっちのけの姿勢に非難が殺到するや、抗弁やお得意の論点すり替えに出たが、ネット上では怒りや失望に拍車をかける事態となった。

 大阪市は16日、午前8時30分に大和川が危険水域に達したとして、流域の4区約13万世帯、約30万人に避難勧告を出した。勧告は強制ではないが、市内の河川が氾濫の恐れで勧告が出されるのは初のケース。すると橋下氏は直後に「避難勧告を出しました」とツイート。橋下氏自身がツイッターでつぶやくのは約1か月ぶりで、警戒を呼びかけるものかと思いきや「詳細は大阪市のHP等で確認してください。市長が個人的にツイッターで知らせるものではない」と担当セクションへ丸投げしてしまった。

 さらに自身は市役所に入らずに自宅待機で対応に当たるといい、「状況が落ち着いてから市長選のために堺市内に入ります。ゆえに堺市長選について述べます」と宣言するや、市長選で大阪維新が公認する元堺市議西林克敏氏(43)の相手候補・竹山修身現市長(63)への批判や大阪都構想のツイートを展開し始めた。

 ツイッター上では「この緊急時にツイッターしている場合じゃないだろ」「自宅待機している場合か!」と批判が飛ぶも橋下氏は「何でもかんでもトップが出るものではない」「市長の仕事は危機管理監への指揮」と我関せずで市長選関連のツイートは昼過ぎまでに約50にも及んだ。

 竹山氏が午前中の選挙運動を取りやめ、現地視察したこともあって、ネット上では橋下氏の対応への批判が膨れる一方。すると橋下氏は「市長が現場を見たところで大量の随行職員を引き連れて説明を受けるだけ」「トップが現場に出るのは吟味が必要。そうでなければ単なるパフォーマンス」と反論。今度は災害対応のあり方についてのツイートを連投したものの「逆ギレかよ」「川が氾濫しそうなのに選挙運動するこの神経」と収拾はつかなかった。

 元東京消防庁消防官で災害対策アドバイザーの金子富夫氏は「大阪の周辺3府県では、8月30日に運用がスタートしたばかりの特別警報(大雨)が出され、いつ危険な状況になってもおかしくなかった。橋下氏は素人が視察したところで役に立たないと言うが、自身の目で見なければすべてバーチャルの対応になる。首相や知事じゃないんだから現場に行っても負担や混乱は最小限で済む。『踊る大捜査線』じゃないが、事件は現場で起きている。といっても橋下氏は会議室にもいないで、自宅とは…。言語道断だよ」とバッサリ。

 幸い大和川は氾濫することなく、避難警報解除後、橋下氏は「役割分担の組織論こそが大阪都構想なのです」と今回の災害対応までをも市長選に結び付けての“ドヤツイート”だ。

 前出の金子氏は「市民が死ぬか生きるかの危険にさらされている時にトップの頭には市長選が念頭にあって、完全に優先順位が間違っている。すべてが言い訳にしか聞こえない」とあきれ果てるばかりだった。