コロナ発生源「武漢研究所説」証拠流出の真偽 1000点近い“極秘文書”?

2020年05月07日 16時00分

「武漢の研究所が発生源」の根拠が明かされる!? 米国のポンペオ国務長官が今週、パンデミックを引き起こした新型コロナウイルスが、中国湖北省の武漢ウイルス研究所から発生したとする「多くの証拠がある」と衝撃発言して世界中を驚かせたが、その根拠とおぼしき衝撃情報が浮上した。それは、同研究所のウイルス学者で新型コロナの秘密を握っているとされる女性研究者、石正麗氏(55)ら2人が、このほどフランスの米国大使館に亡命申請したというのだ。しかも1000点近くの“極秘文書”を持ち込んでいるというから、看過できない。

 武漢ウイルス研究所で15年以上、コウモリのウイルスについて研究してきた主任研究員の石氏は、欧米では“バットマン”ならぬ“バットウーマン(コウモリ女)”として広く知られる存在だ。

 2017年には重症急性呼吸器症候群(SARS)ウイルスが、いくつかのコウモリを起源とするコロナウイルスが変異したものであることを突き止めたのも石氏。また、昨年12月からは河北省の新型コロナ対策プロジェクトで、攻略専門家グループのトップを務めるなど、中国のコロナウイルス研究の第一人者だった。

 その石氏の所在が先月下旬から不明になっていたところ、同僚研究者の周鵬氏や家族とともに欧州に渡り、パリにある米国大使館で亡命申請したという中国語と英語のツイートが先週流れ、世界中をギョッとさせた。

 中国メディアは6日までに「国を裏切り亡命したとのデマはあり得ない」とつづった石氏の会員制交流サイト(SNS)の投稿を紹介した。

 しかし、中国の“一大事”なのになぜ本人を出させて否定しないのか。もしこの亡命申請が事実で、中国の機密情報が米国側に渡ったとなると、習近平政権に致命的なダメージとなる可能性すらあるのに、だ。

 ツイートはまた、石氏らを中国から不法に出国させたとして、中国の公安副大臣が逮捕されたとしている。

 そんな中、オーストラリア紙デーリー・テレグラフなどは今週、石氏と周氏が2006年に3か月間、同国にある疾病予防センターでコウモリとSARSウイルスについて研究していたと報道。その上で、同国政府は米国と英国、カナダ、ニュージーランドとともに、英語圏5か国で構成する機密情報の共有ネットワーク「ファイブ・アイズ」を通じて、石氏らがこれまで行ってきた研究内容についてメンバー国と調査を始めたと報じた。

 これは武漢ウイルス研究所が新型コロナの発生源で「中国政府による情報隠蔽により、世界中に甚大な被害をもたらした」とする米国などの主張を裏付けるためだとしている。

 トランプ大統領は4月30日、中国の初期対応のミスが大流行につながったと批判し、報復として制裁関税発動の可能性も示唆。ポンペオ国務長官も同調し、武漢の研究所が起源だとの「多くの証拠がある」と主張した。

 また、米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は5日、国防総省で記者会見し、武漢ウイルス研究所から流出したとの説について「まだ分からない」と前置きした上で「中国政府が(研究所などへの)調査を受け入れれば、世界が起源を知ることができ、将来の流行を防ぐのに役立てられる」と述べ、中国に情報開示を求めた。

 米国をはじめ英国やフランス、オーストラリア、ドイツなどでは中国に賠償を求めて提訴するなど、パンデミック被害の責任を追及する動きが急速に拡大している。

 その一方で、中国側は共産党機関紙などで「うそやデマ」「不当な訴え」などと激しい表現で反撃しているが、石氏らの亡命が事実なら、極秘情報の内容次第では“決定的証拠”になるかもしれない。