韓国総選挙で与党が圧勝 基盤強固も文政権の前途は多難

2020年04月17日 16時00分

文大統領(ロイター)

 韓国国会の300議席(小選挙区253議席、比例代表47議席)を争った15日の総選挙は即日開票され、与党が圧勝した。

 KBSテレビによると、16日午前までに革新系与党「共に民主党」と同党が設立した事実上一体のミニ政党「共に市民党」は、改選前の計128議席から50議席以上伸ばし、法案処理で極めて有利になる全体の5分の3に当たる180議席を獲得、巨大与党となった。

 文在寅政権の新型コロナウイルス対策への評価が、高い支持につながったとみられる。韓国事情に詳しい文筆人の但馬オサム氏はこう語る。

「勝因としては、労働組合という鉄壁の支持層を持っていること、頃合いよくコロナ感染がピークアウトを迎え、それを政権の手柄に喧伝できたこと、保守系勢力が対立して一枚岩になれなかったことが考えられますね。マスメディアは文政権、ありていにいえば、親北勢力に牛耳られています。これで文大統領はますます独裁を強めることでしょう。反日、反米、親北です」

 注目すべきは、与党系の比例で尹美香氏が当選していることだという。

「尹氏は慰安婦支援団体の挺対協の元代表で、あの水曜デモの発案者。日韓の間で慰安婦問題で解決が模索されるたびに“ハルモニの気持ち”を盾にとって、合意を潰してきた人物。当然、2015年の慰安婦合意には反対で、同合意の破棄は彼女の公約のひとつでもあります」(但馬氏)

 いずれにせよ、文大統領は2022年5月の任期末までの政権運営の基盤を強固にした。

「今回の選挙で足元を固めたかのように見える文政権ですが、前途は多難です。韓国経済はすでに死に体でデフォルト(債務不履行)を待つばかり。南北統一はないでしょうね。金正恩朝鮮労働党委員長にしてみれば、どんな形にしろ今、韓国を吸収して王朝の混乱をまねくより、文政権という“傀儡(かいらい)政府”を置く方が何百倍もメリットがありますからね」と但馬氏は指摘している。