森友問題で自殺の職員遺族が提訴 映画「新聞記者」ばり展開の行方

2020年03月19日 16時00分

赤木さんの遺書には「佐川理財局長(パワハラ官僚)」と明記されていた

 真相解明となるか。

 学校法人「森友学園」の国有地売却問題を担当していた財務省近畿財務局職員・赤木俊夫さん(54=当時)が、佐川宣寿元国税庁長官(62)の指示で決裁文書改ざんを強制され自殺に追い込まれたとして、妻が18日、国と佐川氏に計約1億1300万円の損害賠償を求め大阪地裁に提訴した。

 訴状によると、安倍晋三首相が国会で「私や妻が関係していたら総理大臣も国会議員も辞める」と答弁した後の2017年2~3月、近畿財務局の上席国有財産管理官だった赤木さんは、当時財務省理財局長だった佐川氏ら幹部の指示で、3~4回にわたり文書の改ざんを強制され、長時間労働や連続勤務による心理的負荷も蓄積。同7月ごろにうつ病を発症し、18年3月、自殺した。

 弁護団は「今回の問題はすべて理財局。指示元は佐川(元)理財局長だと思います」として「最後は下部がしっぽを切られる。なんて世の中だ。手がふるえる。恐い」などと赤木さんが記した手記や遺書を公表した。

 赤木さんの妻は「夫が死を決意した本当のところを知りたいと思っています。今でも夫のように苦しんでいる人を助けるためにも、佐川さんは改ざんの経緯を、本当のことを話してください」とコメント。

 大阪地検特捜部は、公用文書毀棄などの罪で告発された佐川氏や財務省職員らを不起訴としたが、民事訴訟により真相追及が再開する。国会でも野党が「森友問題再検証チーム」を発足させ、追及する方針だ。

 ある野党議員は「森友学園問題で起きたことがモチーフの映画『新聞記者』のような展開になってきた。映画では官僚の自殺も描かれ、遺族が新聞記者に闇に隠れた証拠を託す。今回は財務局元職員の妻が元NHK記者に夫の遺書を託した(週刊文春誌上で掲載)」とみている。

「日本アカデミー賞」主要3部門で最優秀賞を受賞した同作の原案は、菅義偉官房長官の“天敵”東京新聞・望月衣塑子記者の著書。新聞記者と若手エリート官僚が、それぞれの正義を貫く物語で、大学新設を巡る国家の闇を追う。

 現実は提訴によってどうなるか。