<個人情報流出余波>書き込みバレて“公開処刑”

2013年08月29日 16時00分

 じわじわと被害が明らかになっている。巨大ネット掲示板「2ちゃんねる」の有料サービス会員の個人情報約7万4000件が流出した件で、さっそく著名人が謝罪に追い込まれた。流出した情報から過去に書き込んだ内容が特定できるのだが、あるライトノベル作家が、ほかの作家を中傷していたことが分かったのだ。今後、書き込んだ内容と投稿者が分かるシステムが開発される可能性があり、いたるところで悲鳴が聞こえてきそう。一体、誰が責任を取ってくれるのか。

 27日、突如としてホームページに謝罪を載せたのはライトノベル作家の杉井光氏。「ご存じの方も多いかと思いますが、僕は2ch上において暴言や誹謗中傷を多数行っていました」と切り出した。「お詫びしようもありませんが、中傷を行った作家先生方、荒れを招くことになったスレの住人の方々、出版社などご迷惑をおかけした関係各位、ならびに読者の皆様に深く陳謝申し上げます」と平謝りだ。

 暴露された書き込み内容は第三者のふりをして自分を評価する“自作自演”や、ほかの作家を「ウンコ量産機」と中傷するものだった。騒動が拡大する前に早めの謝罪となった。

 一方、流出名簿の中に自民党の片山さつき参院議員(54)がいるとも話題になった。名簿に「katayama satuki」があったという。片山氏が2ちゃんでネット工作をしているのでは?と疑われたが、本人が26日にツイッターで説明。

「いや、びっくりしたというか、笑えました! 2チャン、私もうちのスタッフも触った事さえありませんが、『犯人のお郷が知れる』とうちの秘書が言ったのはkatayama satuki 普通の日本人は、さつきはsatsukiと表記しますね」

「お郷(さと)が知れる」とは、言動などでその人の生まれや育ちが分かるという意味。よくない意味合いで使われる。片山氏は「何者かのなりすましだ」と言いたかったのだろう。しかし、片山氏のメールアドレスに“satuki”の文字があり自爆。「華麗にブーメランが決まったな」と2ちゃん上で炎上している。

 流出余波が着実に進行しつつあるなか、あるサイトが作られているという。「あなたの街の2ちゃんねらー」といい、住所で検索するとその住所付近の有料会員の自宅と書き込み内容が表示されるという。もっとも、住所や電話番号などの個人情報をネットに出すことは違法性を問われることもあり、実現は不確か。

 ネット事情通は「書き込み内容の暴露は痛いでしょうが、しようがない。やじ馬にとっては最高のネタです。匿名掲示板でも余計なことは書くべきでないと今後の教訓にしましょう」とあきらめを促す。個人情報は名前以外なら変更もできる。しかし、書き込みは消せない。

 2ちゃんには「アナルを触られたり舐められるだけで感じちゃう」というゲイ男性のつぶやきや、「妊娠してるのは不倫相手の子かも」というW不倫中の女性の書き込みもある。万が一、有料会員だったら…。戦々恐々だ。

 書き込み内容が流出したのは7~8月の約1か月分とされているが、わずか1か月でも毎日何度も書き込む人はいるだろう。流出したメールアドレスから、大手マスコミ、大企業、官公庁に所属する個人がどんどん特定されていっている。変態行為にせよ、ステルスマーケティングにせよ、世論操作にせよ、もしとてつもない書き込みをしていたことが発覚すれば、とんでもないことになりそうだ。

 個人情報流出の際に損害賠償請求を起こすことはよくある。法曹関係者は「2ちゃんは運営実態がよく分かっていません。どこの誰が権限を持っているのか不透明。訴訟となっても、どこまでやれるのか疑問です」と話す。バレないことを祈るしかないのか。