羽田新飛行ルート 政府の無責任で都心に迫る恐怖

2020年02月03日 16時20分

 国土交通省は2日から、東京都心の渋谷や新宿の真上を通過する羽田空港の新たな飛行ルートの実機飛行確認を始めた。3月29日から運用予定だが、“事故ゼロ”の保証は何もない。

 新飛行ルートのテストが本格的に始まった2日、ネット上では「なんで渋谷の真上を飛行機が飛んでいるの?」「ビルすれすれ飛んでいて、騒音がひどい」などの目撃談であふれ返った。

 東京五輪、パラリンピックの観戦者や訪日外国人観光客の増加を見越し、これまで主に東京湾上空を飛行していたルートを都心にも拡大。発着枠は1日50便も増やせるという。

 ただ、都心ルートは危険を伴う。さいたま市付近から都内に入る旅客機は徐々に下降を始め、新宿付近では高度900メートル、渋谷付近では同750メートル、品川・大井町付近で同450メートルを飛行する。騒音もさることながら、高層ビルやタワマンが立ち並ぶエリアを旅客機が通過するのは、見ている方がひやひやさせられる。

 新ルート導入には地元住民を中心に反対運動が繰り広げられたが、国交省は各エリアで説明会を開催。騒音データ公開や落下物の防止、安全対策の取り組みなどを説明し、懸念払拭に努めてきた。

 元東京消防庁消防官で防災アナリストの金子富夫氏は「羽田空港は旅客機が都心を通過するのは危険だからと沖合に移転した歴史がありますが、何だったのかとなる。羽田周辺では1982年の日航機逆噴射による墜落事故やエンジン火災など多くの事故が発生している」と指摘する。

「もし羽田地域、新宿、渋谷駅周辺に旅客機が墜落したら、旅客機の乗客だけでなく、落下地域も大惨事になる。今回のコロナウイルスの日本政府の対応を見ても行政機関の無責任な段取りで、危機管理の欠如も甚だしい限り。羽田新ルート導入も安易に考えている」(金子氏)。いくら説明を尽くしても過密人口エリアの上空を飛ぶ以上、不安は拭えない。