トランプVS習近平“台湾ラウンド”発展!?蔡総統再選で経済対立再燃の不安

2020年01月12日 16時00分

過去最多得票で再選した蔡総統(ロイター)

 トランプVS習近平の“台湾ラウンド”に発展するのか。11日に投開票された台湾の総統選は、民主進歩党の蔡英文総統(63)が親中路線の最大野党、国民党の韓国瑜高雄市長(62)に約265万票差をつける圧勝で再選されたが、今後は台湾を巡る米中対立が激化する可能性が出てきた。

 台湾には中国の習近平国家主席が統一を迫って圧力をかけていた。中国による締め付けで、台湾経済は低迷し、蔡氏の支持率も一時20%まで落ち込んだ。昨年までは親中派候補が当選することで、中国の台湾統一の動きが加速するのは確実とみられていた。

 ただ、習国家主席の計算は香港での民主化デモで狂った。ユーチューブチャンネル「ゆあチャンネル」で“リアルなニッポン”を紹介している中国人ジャーナリストの周来友氏は「香港での反中デモを見た台湾市民が『今日の香港は明日の台湾』と危機感を募らせたんです。中国強硬路線を取る蔡政権を支持する声が高まった」と指摘する。

 総統選では将来に不安を抱える若者層を中心に支持を広げた。蔡氏の再選で、中国による台湾統一は退いたかにみえるが、習国家主席が指をくわえてみているハズがない。

「厳しい結果となった中国政府はさらに台湾に対して、経済的圧力を強めるでしょう。中国から台湾への観光客も減る。外資企業の誘致や中国に進出している台湾企業の呼び戻しなどで経済の立て直しが最大の優先課題になる」(周氏)

 台湾にはトランプ米大統領も肩入れしている。激化していた米中貿易戦争は15日に第1段階の合意署名が予定され、緊張関係は緩和されるとみられているが、台湾での対立でぶり返す可能性もある。台湾との関係を重視している日本にとっても難しいかじ取りを迫られることになりそうだ。