IR疑獄さらに5人の議員浮上 カジノ強まる逆風に推進派は自民に憤り

2020年01月04日 16時00分

 カジノを含む統合型リゾート施設(ⅠR)をめぐる汚職事件が拡大している。昨年末に東京地検特捜部は中国企業から利益供与を受けたとして収賄の疑いで衆院議員の秋元司容疑者(48)を逮捕したが、さらに5人の衆院議員に対しても事情聴取し、複数の議員が金銭受領を認めたからだ。

 5人は、自民党からは岩屋毅前防衛相(62)、宮崎政久法務政務官(54)、中村裕之元文科政務官(58)、船橋利実氏(59)。さらに日本維新の会の下地幹郎元郵政民営化担当相(58)だ。岩屋氏、中村氏、下地氏は国際観光産業振興議員連盟(IR議連)の幹部を務めたこともあった。

 贈賄の疑いのある中国企業「500ドットコム」側は5人の衆院議員に各約100万円を渡したと供述。中村氏の秘書は同社からの直接の現金受領は否定したが、北海道留寿都村でのIR事業を計画していた札幌市の観光会社幹部から200万円の寄付を受け、うち100万円を岩屋氏側に寄付したとしている。同社は北海道と沖縄でのIR参入を目指す過程でこれらの議員に接触を図ったとみられる。地元が大分の岩屋氏を除く残り4人の議員は北海道か沖縄を地盤にしていた。

 元大臣、現役政務官らが関係していたとなれば20日からの通常国会は大荒れ必至。さらに、同社が大阪IR構想へも触手を伸ばしていたとの情報も浮上し、IR事業そのものの今後が不透明だ。

 ⅠR推進派関係者は「ⅠR疑獄でカジノへの不信の声はますます高まるだろう。しばらくは前に進まないことも覚悟しないといけない」と白旗を掲げ、その怒りは自民党に向いている。「IR議連が発足したのは2010年の民主党政権下でトップも民主党議員だった。今じゃすっかり自民党議員ばかりになってしまった。利権好きの自民党に任したからこんなことになった」とじだんだを踏む。

 疑惑の終結なくしてIR実現はなさそうだ。