輿石幹事長が仕掛ける〝民主延命策〟

2012年06月14日 18時00分

 〝政界のヌエ〟が動く。消費税増税が柱の社会保障と税の一体改革関連法案をめぐる政局が佳境に入り、民自公の3党による修正協議が続いている。野田佳彦首相(55)は15日までの合意を強く望んでいるが、見通しは極めて暗い。

 

 自民党は「マニフェスト撤回」という高いハードルを設定。成立と引き換えに解散するという確約も欲しい。消費税増税に反対する小沢グループは文字通り〝反旗〟を翻している。鳩山由紀夫元首相(65)に至っては造反の可能性をほのめかしている。

 

 三すくみの状況の中、存在感を強めている輿石東民主党幹事長(76)は先送りを狙う。

 

 「ヌエみたいな、幹事長とも言えない怪しげな男がいて、日本の国を迷わせている」(溝手顕正参院自民党幹事長=69)と恐れられている。ヌエとは「平家物語」にも登場する妖怪だ。

 

 「輿石氏が考えているのは2案。まず1つは採決せずに21日で国会を閉じてしまうこと。野党から不信任案が出るが、民主党にすれば代表選で決着をつければいいから、小沢グループが造反する必要はない」と話すのは、ある民主党議員。

 

 2つ目は3党でなく民主党内で修正すること。「反対派も納得するような景気条項を入れる。これなら首相の顔を立てて採決に持ち込める。ただ、衆院で可決しても参院で否決となる。消費税は上がらず国民生活は守られる。決着はやはり代表選でつければいい」(前出の議員)

 

 輿石幹事長の腹の中は党を分裂させず解散もせず、民主党政権を維持することのようだ。