韓国の創氏改名は強制じゃなかった 石破氏の歴史認識のお粗末さ

2019年10月10日 16時00分

石破茂氏

 自民党の石破茂元幹事長(62)が5日、徳島市内での講演で、戦後最悪となっている日韓関係について、戦前の日韓併合や創氏改名などに触れ「なぜ韓国は反日か。日本が他国から占領され『今日から君はスミスさん』と言われたらどう思うか」と発言し波紋を広げている。

 朝鮮半島事情に詳しい文筆人の但馬オサム氏は「これが大臣経験者でもある与党の政治家であるのかと耳を疑うような無知な発言と言わざるを得ません。創氏は『氏』、すなわちファミリーネーム=名字を決めなさいということで、これは義務でしたが、その際、日本風の名前に改名してもいいですよということにすぎず、改名の方は任意でした」と語る。

 名字を決めることを義務化したのは、朝鮮では夫婦別姓で、三世帯同居の場合、一つの家に祖母、母、父子という3つの「姓」が存在することになり、行政上不便だったからだ。

「世帯主の『姓』をそのまま『氏』とすることも可能でした。日本人の役人が突然現れて『君は今日から金田だ』などと命令するなんてあり得ません。そもそも、差別し抑圧しようと思ったら、日本人と紛らわしい名前は名乗らせるわけがない。朝鮮人の『改名』に関しては、日本国内でも反対論や慎重論があったくらいです」と但馬氏。

 縁起の良い名前をつけようと、姓名判断が流行し、各役所では創氏相談所を設けて対応した。

「“朝鮮近代文学の父”といわれる作家の李光洙さんは自ら『香山光郎』に創氏改名、全朝鮮人に創氏改名を呼び掛けた。そもそも、韓国人の漢字3文字の姓名は明国に事大して中国風の名にしたもの。李光洙さんは『中国人に間違えられるくらいなら、堂々日本人の仲間入りすべきだ』と語っています」(但馬氏)

 こうして当時の朝鮮人のおよそ75%が日本風の名前に改名したという。 但馬氏は「25%の人は朝鮮名で通したことになる。現に日本陸軍の中将を務めた洪思翊さん、国会議員になった朴春琴さん、世界的ダンサーで知られる崔承喜さんなど、一貫して朝鮮名で活躍した人も多くいます」と指摘している。