あの会社がない「ブラック企業大賞ノミネート」

2013年07月01日 11時00分

 昨年から始まった「ブラック企業大賞」のノミネート企業が6月27日、発表され「あの企業が入っていない」と物議をかもしている。弁護士やジャーナリストらで結成された同大賞実行委員会で約40社から8社にエントリーをしぼった。厚労省記者クラブには多くのマスコミが詰め掛けた。最近注目されているのが、過労死や長時間労働、パワハラ、セクハラなど労働環境の厳しい企業のことを指すブラック企業。この問題に光を当て、改善しようという趣旨で同賞が生まれた。今回、ノミネートされた企業(法人)はワタミ、クロスカンパニー、ベネッセコーポレーション、サン・チャレンジ、王将フードサービス、西濃運輸、東急ハンズ、東北大学の8つ。理由にはそれぞれ過労死や、退職に追い込むための「追い出し部屋」の存在、長時間労働などが挙げられている。

 だが、マスコミによく登場する“あの有名会社”がないではないか。実行委員の佐々木亮弁護士は「ユニクロについてもノミネートすべきと議論を重ねました。しかし、ほかの企業と違って具体的事例を把握できなかった」と話す。公的に過労死と認定されているなどの事実がなく、無理だったという。

 別の実行委員は「ユニクロはよく法的手段に訴えるんですよね。だから、ノミネートするなら具体的な事実がないと対抗できない。現場で働いている人にもっと声を上げてほしいが、残念ながら今のところない」と明かす。ユニクロ社長の言動も議論の中で問題視されたが、それだけではパンチが弱いと判断された。

 昨年は東京電力が大賞となった一方、ウェブ投票ではワタミが断トツだった。参院選で自民党比例代表候補として立候補するワタミの創業者渡辺美樹会長(53)は27日、ワタミでの役職をすべて辞任したと発表したが、同社には強力なライバルがおらず「今年こそはブラック企業大賞」とささやかれている。