北の弾道ミサイル発射で韓国折れそう 破棄通告のGSOMIAやはり必要?

2019年10月03日 16時00分

朝鮮中央通信が公開したSLBM発射実験とみられる写真(ロイター)

 北朝鮮の朝鮮中央通信は3日、新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「北極星3」の発射実験が2日に行われ、成功したと発表した。2日朝、日本の排他的経済水域(EEZ)に落下したミサイルとみられる。発射に慌てた韓国は、一方的に破棄を通告した日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の再考を迫られそうだ。

 弾道ミサイルは2日午前7時10分ごろ、北朝鮮東海岸付近から東方向へ発射され、同27分ごろに島根県・隠岐諸島沖合約350キロ付近に落下。韓国軍によると最大高度は910キロ、距離は約450キロ。北朝鮮によるミサイル発射は先月10日以来で、今年に入ってから11回目。日本のEEZ内への落下は約2年ぶりとなる。

 元韓国国防省北朝鮮分析官で拓殖大学主任研究員の高永チョル(吉+吉)氏は「SLBMは潜水艦から発射するミサイルで、射程距離は2000キロ。日本列島がすべて射程範囲になる。まだ核弾頭を搭載できるほど小型化する実力はないが、大きな脅威であることは間違いない」と指摘する。

 今回の発射情報では混乱も生じた。菅義偉官房長官は当初、2発発射としていたが、1発に修正。「いち早く可能性について発表した。分析をする中で1発という形にした」と釈明。

 一方、韓国の鄭景斗国防相はGSOMIAを通じて、日本側に情報共有を要請した。GSOMIAは日韓が対立する中で8月に韓国が破棄を通告し来月で効力が切れる。

「ミサイルの発射地点、高度や飛行コース、着弾地点などの情報は韓国より日本の方が精度が高いので、韓国は情報が欲しい。米国が韓国にGSOMIAの破棄撤回を求めているので今後、文在寅大統領から見直したいという意思表明が出るのではないか」(高氏)

 SLBMは発射兆候の捕捉が難しく、日米韓の軍事的連携は不可欠になってくる。北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長がさらなる挑発行為に出るのは確実。韓国側が素直に折れてきた場合は、日本も受け入れる流れとなりそうだ。