韓国・文大統領が“玉ねぎ男”を法相に強行任命したワケ

2019年09月10日 16時15分

チョ・グク氏(ロイター)

 韓国の“玉ねぎ男”ことチョ・グク氏(54)について、文在寅大統領が9日、法相に“強行任命”した。

 チョ氏をめぐっては、法相候補に指名された8月以降、娘の進学に関する不正疑惑などが相次ぎ浮上し、検察はチョ氏の妻を私文書偽造罪で在宅起訴した。国会の聴聞会後も疑惑への説明が不十分と批判も起きたが、文氏は検察改革の旗手として起用を押し切った形だ。

 疑惑の全容解明に向けて検察が捜査を進める中、法相人事が強行されたことに、さらなる世論の反発も予想される。逆風が分かっていながら、なぜ強行したのか。

 文氏は任命に際し「本人が責任を負うべき明白な違法行為が確認できないのに、疑惑があるというだけで任命をしないならあしき先例となる」と説明した。

 韓国事情に詳しい文筆人の但馬オサム氏は「文氏にとっては腹心のチョ氏を後継として指名しておくことが、任期後の自分の身の安泰を保証する最良の策なのです」と語る。

 確かに韓国の大統領は任期後もしくは任期中にも逮捕されたり、捜査の手が及んで自殺に追い込まれたり、悲惨な末路をたどることが多い。腹心のチョ氏に“検察改革”させれば、司法の手が及ばないというわけだ。

「文氏は大法院(最高裁)経験のない、自分の息のかかった地方裁判所の判事を大法院裁判長に大抜てきし、前任の大法院裁判長を逮捕するという暴挙を働きました。そして新裁判長の下、下されたのがいわゆる徴用工判決。腹心のチョ氏が法相になることで、恐怖政治の時代がいよいよ到来するでしょう」(但馬氏)

 反対者を投獄するなどの非情な手段で弾圧する政治が始まりかねない。

 但馬氏は「反文政権の姿勢を見せていた野党議員や反文在寅デモの関係者は、いつなんどき逮捕されるか、気が気ではないでしょう。罪名などいくらでもでっちあげられます。もはや、韓国は社会主義的全体主義の国となったのです」と指摘している。