仏マクロンVSブラジルのトランプ・ボルソナロ氏“大統領バトル” 本家参戦で混迷

2019年08月29日 16時00分

ボルソナロ大統領とミシェル夫人(ロイター)

 今年1月に就任した“ブラジルのトランプ”との異名を持つジャイル・ボルソナロ大統領(64)が今週、フランスのエマニュエル・マクロン大統領(41)と25歳年上のブリジット夫人(66)を侮辱するコメントをフェイスブックに書き込んだことから、両者の間で“場外バトル”が勃発している。非難の応酬がヒートアップするなか“本家”トランプ米大統領も参戦し、話はさらにややこしくなっている。

 事の発端は今週、フランスで閉幕した先進7か国首脳会議(G7サミット)が、ブラジル・アマゾン地域の大規模な森林火災に対し、消火活動への緊急支援金2000万ドル(約21億円)の拠出に合意したことだった。

 G7議長国を務めたマクロン氏が参加国に呼びかけた支援だったが、ボルソナロ大統領はツイッターで「マクロン氏によるアマゾンを『救う』ためのG7による『同盟』には、我々を植民地のように扱おうとする意図が隠されている」と反発。受け取りを拒否する方針を明らかにしたのだ。

 自国の経済発展のため、森林開発を推進するボルソナロ大統領は、アマゾンの熱帯雨林がブラジル固有の資源で「何があろうと他国は口出しするな」というわけだ。そこまでは外交上の対立だったが、さすが“ブラジルのトランプ”だ。怒りが収まらないのか、ボルソナロ氏はマクロン夫妻をコケにする、一国の元首としてあるまじき行動に出たのだ。

 その行動とは――。ボルソナロ氏のある支持者がフェイスブックで、同氏の妻で29歳年下のミシェル夫人(35)と、マクロン氏のブリジット夫人の写真を並べて容姿を比較し「マクロンがどうしてボルソナロを責めるか分かるな?」と投稿。これに反応したボルソナロ氏は「やつに恥をかかせるなよ、ハハ」と返信したのだ。

 AFP通信などによると、マクロン大統領は26日、G7が開催されたビアリッツで会見し、ボルソナロ大統領について「私の妻について極めて無礼な言動をした」と批判。続けて「ブラジルの女性たちは、自分たちの大統領のこうしたコメントを読んで恥じることだろう」とし、ボルソナロ氏をこきおろした。

 そんななか、ボルソナロ大統領は27日、「G7からの支援金の受け取りを再検討をしてもいい」となぜか上から目線で提案。「まずはマクロン氏が(自分に対する)侮辱的な発言を撤回する必要がある」と強調した。

 これにマクロン氏は反応していないが、なんとG7側であるはずのトランプ大統領が同日、「米国はボルソナロ氏とブラジルを全面的に支持する!」とツイートしたから、話はまた複雑になった。このバトル、果たしてどう決着するのか、世界中の注目が集まっている。