猪木氏「ダー」「ビンタ」封印危機

2013年06月10日 11時00分

「ダー」のパフォーマンスに橋下共同代表は参加せず

 日本維新の会から参院選比例代表で出馬するアントニオ猪木氏(70=本名・猪木寛至)の「闘魂注入」や「1・2・3、ダー!」が封印される!? 6日、東京・渋谷で石原慎太郎(80)、橋下徹両共同代表(43)と猪木氏が初のスリーショットを実現したが、なぜか橋下氏はすぐ退席。その後のパーティーでも橋下氏は猪木氏と交わることはなかった。それどころか橋下氏の側近は「ビンタもダーもやらない」と言い切った。いったいなぜなのか、裏事情を探った。

 東京・渋谷のスクランブル交差点に猪木氏が登場すると、大歓声が飛んだ。2人の共同代表とのスリーショットに、若者たちがシャッターを押しまくる。ところが、橋下氏は公務を理由にそそくさとどこかへ行ってしまい、初合体はものの数分で終了。それでも猪木氏は「元気ですかー! 元気があれば維新に新しい風を吹かすこともできる」と明るく聴衆に呼びかけた。

 さらに「この維新に入ればどうなるものか、危ぶむなかれ。危ぶめば道はなし。踏み出せばその一足が道となり、その一足が維新となる。迷わず行けよ。行けばわかるさ」とおなじみの名言をもじって出馬の覚悟を披露。

 最後は「いくぞ! 1・2・3、ダー!」と集まった老若男女と拳を突き上げた。

 同日夕には、都内ホテルで行われた維新初の東京での政治資金パーティーが開催されたが、様子は同じだった。参院選の候補者が壇上で紹介されたが猪木氏は登場せず。橋下氏が、マスコミ向けの囲み取材を会場外で始めると、計ったかのように会場内から猪木氏のおなじみのテーマ曲が鳴り響き、もちろん猪木氏は「元気ですかー」も「ダー!」もやった。支援者たちは大喜びだった。

 ところが、橋下氏は違った。猪木氏について「存在は大きい。逆風の中で決断されたのはありがたい」としつつも、闘魂注入=闘魂ビンタを受ける可能性について「政治の場ですから、しません」となぜか少しのリップサービスもなかった。

 橋下氏が拒否しているのは闘魂注入だけではない。橋下氏の側近は今後、ビンタや「ダー!」をするか否かについて「しない、しない。そんなのするわけないじゃないですか」と即座に否定。猪木氏のスタッフは「今日は(2人が)一緒にいる時間があまりなかったものですから。今後の選挙活動で一緒にやることになるかどうかは…どうなんでしょうか?」と困惑するばかりだった。

 つまり、橋下氏が一方的に猪木氏のパフォーマンスと距離を置こうとしているのだ。一体、なぜなのか。

 ある維新代議士は「なるほど、橋下さんは『ダー!』をやらなかったのか。あの人は先を読んでいるね」と指摘する。

「こういうパフォーマンスをやる時期ではないと橋下さんは考えているのでしょう。今は良くても、これから必ずパフォーマンスについて『おちょくっているのか』という批判の声が出てきます。ましてや慰安婦発言などで維新は逆風の中。そこで橋下さんが一緒になって『ダー!』とやるわけにはいかない。むしろ選挙が近づいてくるほど、猪木さんもパフォーマンスができなくなっていきますよ」(同代議士)

 猪木氏のパフォーマンス封印の危機が浮上しているのだ。これは猪木氏にとっては不本意に違いない。猪木氏は出馬会見でも街頭演説でも「参院選をもっと盛り上げないといけない」と繰り返し訴えてきた。「投票に行きましょう。そのために私がバカをやる」と、維新と日本のために何でもやる覚悟を決めている。

「でも分かるでしょ。俺もさっき会場で『ダー!』をしたけど、後ろの方でやったよ」とは前出の代議士。維新バッシングが続く状況下では、どうしても後ろめたさがあるという。

 橋下氏が猪木氏とともに「ダー!」をやるときこそ、維新が逆風を乗り切った証しになるはずだ。いったいどんな選挙戦になるのか。