韓国“訪日規制”の実害 もはや韓国人観光客はあてにできないのか

2019年08月08日 07時30分

6月のG20大阪サミットですれ違う安倍晋三首相(左)と文在寅大統領。日韓関係を象徴している(ロイター)

 日本政府が安全保障上の輸出管理で優遇措置を取る「ホワイト国(グループA)」から韓国を除外したことに韓国の猛反発が続いている。韓国外務省は6日までに、日本を訪れる韓国人旅行者らに対して、ヘイトスピーチなどの集会が開かれている場所に近づかないよう注意喚起する取り組みを始めた。日韓関係は最悪となっているが、このままでは日本の観光業への影響が計り知れない。もはや、インバウンドとして韓国人観光客はあてにできないのか。

 外務省報道官は同日の記者会見で、必要に応じて「警報発令」など措置の段階を引き上げることも検討していると明らかにした。韓国外務省は旅行者らのスマートフォンにメッセージを送ったり、ホームページで告知したりする方針。

 すでに日韓関係の悪化を受けて韓国では日本製品の不買運動が続いており、日本への旅行も自粛ムードにある。まるで子供の“仕返し”的な反応だ。

 韓国の格安航空会社(LCC)イースター航空は6日、韓国と日本を結ぶ路線のうち清州―札幌(新千歳)を9月5日から、仁川―茨城を9月18日から、清州―関西を9月6日から運休すると発表した。3路線とも運休は10月26日まで。仁川と札幌、鹿児島、那覇を結ぶ路線も減便する。

 韓国と日本の地方空港を結ぶ路線は、韓国の他のLCCや、大手の大韓航空でも運休や減便が相次いでいる。

 また、ツアーのキャンセルが韓国で相次ぎ、6日まで運航を中止していた島根・出雲空港と韓国・金浦空港間のチャーター便について、島根県は6日、中止期間を31日まで延長すると発表した。

 ここ数年は日本各地の観光地で中国人や韓国人の旅行客をたくさん見かけるようになった。観光業関係者は「彼ら中国人と韓国人の訪日客のおかげで、地方の観光業は何とかなっている側面もある。もしこれが全部いなくなったらと思うとヒヤヒヤしますよ」と話す。日本経済の低迷で、日本人観光客だけではやっていけないのが現状だ。

 なかでも九州は韓国からのアクセスが良く人気だった。

「福岡の市街地は中国人や韓国人でいっぱい。韓国からの方が近い対馬は、韓国人観光客の方が圧倒的に多いです。日本神話に縁のある宮崎県高千穂町ですら外国人がたくさん来ている。夜神楽に韓国人がいたくらい。あと温泉地にも来ていますね」と地元関係者。

 それらの観光地でも韓国人観光客は減少傾向にあるという。

 データで見てみよう。

 観光庁が7月に明らかにした統計では、今年上半期に日本を訪れた韓国の客数は386万2700人。国・地域別では2位だったが、3・8%マイナスで、上半期では5年ぶりの減少となった。

 同じく7月に同庁が発表した訪日外国人消費動向調査の今年4~6月期の全国調査結果(1次速報)によると、日本で一番お金を使っている訪日外国人は中国人で4706億円。韓国人は3位で1227億円となっている。ちなみに2位は1457億円の台湾だ。

 訪日韓国人が減少したことに、ネットを中心に「韓国人は日本でお金を使わないから影響は限定的だ」という意見もある。本当なのか。

 観光庁の前述消費動向調査によれば、確かに1人あたりの観光目的の旅行中の支出額はデータのある20か国中で最下位となる6万5954円となっている。ただ、韓国人はほかの国の人に比べて宿泊日数が少なく、1泊あたりの支出額に直せば2万1180円と他国並み。韓国人訪日客の消費がなくなる穴は大きい。

 韓国がダメならほかの国から観光客を誘致するしかない。前出の調査によれば訪日客が減っているのは、幸いにも韓国を含めた一部の国だけである。欧米からの訪日客が伸びているが注目は東南アジアだ。タイ、フィリピン、ベトナム、インドあたりも急伸している。

「日本人観光客の増加は期待できず、インバウンド頼りは続くでしょう」と前出の観光業関係者。

 韓国人頼りだったところを改めないと地方が疲弊してしまうかもしれない。