北朝鮮「1週間3回」ミサイル連射の背景

2019年08月05日 16時15分

 北朝鮮が1週間に3回というハイペースでミサイル発射を行った背景をめぐり、悪化する日韓関係を見据えているとの見方が浮上している。

 北朝鮮は先月25日に短距離弾道ミサイルとみられる飛翔体を2発、同31日にも飛翔体2発を発射。さらに2日に発射した短距離ミサイル2発は、5日に始まる米韓軍事演習への反発と圧力を示す目的だったとみられている。

 いずれも日本海に着弾したとみられ、日本としては看過できないが、トランプ米大統領は「私としては問題ない。協議しているのは核だ」と、米本土を狙う核搭載可能の大陸間弾道ミサイル(ICBM)でなかったため問題にしていない。

 トランプ氏は安倍晋三首相にも「停滞する非核化協議に北朝鮮をつなぎ留めるために容認する。理解してほしい」と伝え、日本政府側も理解を示しているという。

 朝鮮半島情勢に詳しい関係者は「正恩氏(顔写真)は今年6月に行われた3回目の米朝首脳会談で、トランプ大統領から長距離弾道ミサイルでなければ、ミサイルを発射してもいいとお墨付きをもらった。しかし、非核化の実務協議はいまだ再開されていません。本格交渉を前に優位に交渉を進めたい思惑があるとみられています」と話す。

 さらに正恩氏は、日韓関係が過去最悪の状況をこれ幸いとばかりにミサイル発射を続けているとの見方も浮上している。

 日本政府が2日、韓国に対し、安全保障上の輸出管理で優遇措置を適用する「ホワイト国」からの除外を決め、韓国の文在寅大統領が「事態をさらに悪化させる非常に無謀な決定だ」と猛反発し、韓国内では反日感情が高まるばかりだ。

 日本の野党国会議員は「安倍首相は日朝首脳会談の実現について正恩氏に『前提条件なしで交渉を』と言っていますが難しい。正恩氏は前提条件として2兆円といわれる戦後賠償を求めてくる可能性がある。日朝会談が実現したとしても、反日感情が募った韓国が北朝鮮と協調して日本政府に戦後賠償の問題を求めることが予想される。日米韓が協力できない限り、正恩氏の暴走が続く危険が高い」と話している。