河本問題で自民党〝暴走〟

2012年06月05日 18時00分

 河本問題に便乗した自民党の〝暴走〟に批判が上がっている。増え続ける生活保護費の問題に対して、自民党は今国会に生活保護法改正案を提出する予定だが、その内容は、ケースワーカーの権限強化のほか、親子間の扶養義務の徹底など。母親の生活保護受給問題で渦中の河本準一(37)の騒動を利用する姿勢に「便乗しすぎ。そもそも社会問題となっているのは不正受給で、扶養義務ではないはず」と他党は息巻いている。

 

 自民党の「生活保護に関するプロジェクトチーム」(世耕弘成座長=49)の提言には、生活保護給付の10%引き下げ、自治体の調査権限の強化などが盛り込まれている。5月31日の会合では扶養義務についての議論もあり、自民党が扶養義務強化に向けて動いているのは明白。会合後、世耕氏は「扶養するのが当たり前という感覚がないと際限がなくなる」と本紙の直撃にも答えている。

 

 この扶養義務強化の動きには世耕氏や片山さつき氏(53)らに好意的だったネット住民も困惑。「世耕と片山は違う方向に走ってないか。こんなの誰も望んでないぞ」「扶養義務でなく不正受給をどうにかしろ」「お金持ちは別だが、年収200万円の子供に親の扶養は無理。共倒れになる」と声を上げた。

 

 問題の発火点である次長課長の河本の母親が生活保護を受けていた問題は、河本が3000万~5000万円の年収があるとされたことから「おかしい」との批判が高まった。仮に河本の年収が10分の1だったら、問題にならなかったかもしれない。扶養義務が徹底されれば平均年収412万円(国税庁発表)のサラリーマンは暮らしていけないだろう。

 

 他党も賛成するつもりはない。ある野党議員は「河本さんは年収が高かったけど、一般の人はそうじゃない。昔みたいに大家族で住んで親戚の顔もよく知ってる時代でもない。扶養義務が強化されたら、生活は大変になりますよ」と批判した。