FBIが保護する「ポスト正恩」の存在

2019年07月09日 16時10分

 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が、先月30日に板門店で行われた米国のトランプ大統領との3回目の米朝首脳会談で、非核化に向けた協議の再開で合意した背景に“おいっ子”の存在があった。今月中旬の米朝協議再開を目指して北朝鮮との交渉を担当するビーガン特別代表が8~11日にベルギー、ドイツを訪問する。目的は欧州各国の当局者らに対し、北朝鮮との交渉の方針を説明するためとみられる。

 日本の政府関係者は「北朝鮮の非核化なしに米国は、経済制裁を解除しない方針です。北朝鮮から非核化に向けた具体的な方策を引き出すために、見返りとなる措置も含めた案が検討されています」と話す。

 正恩氏が米国との非核化協議をスピード再開させる舞台裏には、異母兄で、2017年2月にマレーシアで暗殺された金正男氏の息子、金漢率(キム・ハンソル)氏(顔写真)の存在がある。現在、米当局の保護下で米国内で暮らしている。

 朝鮮情勢に詳しい関係者は「韓国メディアは、漢率氏がFBI(米国連邦捜査局)に保護されて暮らしていると伝えています。米国は漢率氏が故金正日総書記の孫にあたるので、“ポスト金正恩”として資格があると見ています。正恩氏にとって漢率氏は邪魔な存在。米国から『我々には漢率氏というカードがある。核放棄を行わないなら、軍事攻撃を仕掛けて体制転換してやるぞ!』と脅されていても不思議ではありません」と指摘する。

 それでも正恩氏は、非核化の要求を突っぱねられるのか。前出の政府関係者は「北朝鮮は日米などによる経済制裁の影響で、国内経済が破綻寸前と分析されています。正恩氏は米国が要求する非核化に向けたプロセスを実行しないと、トランプ氏のメンツを潰すことになる。経済制裁どころか、軍事攻撃もありえる状況です」と話している。