金正恩が喜ぶトランプとの文通 ニンジン作戦で非核化交渉進展か

2019年06月24日 16時10分

 北朝鮮の朝鮮中央通信は23日、トランプ米大統領が金正恩朝鮮労働党委員長に親書を送ってきたと報じた。詳細な内容や受け取った時期は報じられていないが、正恩氏はこれに「立派な内容が込められている」と満足し「興味深い内容を慎重に考えてみる」と述べたという。

 トランプ氏は今月11日、昨年6月12日の米朝首脳初会談から1年となるのを前に、正恩氏から10日に「美しい手紙を受け取った」と明らかにしていた。今回の親書はその返信の意味合いが強いとみられる。

 トランプ氏が今年2月の2回目の米朝首脳会談決裂以降、膠着状態となっている非核化交渉を巡って何らかの提案をした可能性もあるが、双方の意見の隔たりは依然大きいとみられ、交渉再開につながるかどうかは不透明だ。同通信は、正恩氏がトランプ氏の「政治的判断能力と並外れた勇気に謝意を示す」と述べたと伝えた。

 米側も、サンダース大統領報道官が23日、「(米朝)首脳間で手紙のやりとりは続いている」と認めている。

 両首脳は3回目の首脳会談に意欲を示し、関係の良好ぶりを強調してきた。正恩氏が4月の施政演説でトランプ氏と「いつでも近況を問う手紙をやりとりできる」と述べていたほか、トランプ氏も10日に正恩氏の手紙を受け取った際「温かくナイスな手紙」と歓迎していた。

 最近の北朝鮮情勢や28日から始まるG20大阪サミットを踏まえ、永田町関係者はこうみる。

「親書には、非核化に向け、経済制裁解除など、北朝鮮側が喜ぶ“ニンジン”が書かれている可能性はある。大阪サミットの際に行われる日米、米中首脳会談、その後に訪れる韓国での米韓首脳会談で、トランプ氏がこの“ニンジン作戦”について、日中韓の3首脳に水面下で打診する段取りなのかもしれない」
 北朝鮮を巡る非核化交渉が進展する可能性が出てきたのかもしれない。