日本人氏名「名前が先か、姓が先か」ローマ字表記で安倍政権は閣内不一致

2019年05月30日 16時00分

「名前が先か、姓が先か」――。氏名のローマ字表記を巡り安倍内閣が“混乱”している。菅義偉官房長官は29日の会見で、自身のローマ字表記について質問され「『ヨシヒデ・スガ』を使っている」と話し「名・姓」順だと説明した。

 こんな質問が飛び出したワケは…。

 安倍晋三首相が28日にトランプ米大統領とともに海上自衛隊の護衛艦「かが」に乗艦した際のあいさつで、自らの名に触れた際、外務省の通訳者が「シンゾー・アベ」と訳した。一方、外務省英語版のホームページでは安倍首相とトランプ氏とのゴルフを紹介する欄で一時「Abe Shinzo」と記載。その後「名・姓」に戻していた。

 河野太郎外相や柴山昌彦文部科学相は、ローマ字での氏名表記を日本語の語順通り「姓・名」とするのがふさわしいとの意向を示していたことで、政府内のちぐはぐな対応が問題になっていた。

 報道陣からの「ローマ字表記を政府内で統一するのが望ましいか?」という質問に菅氏は「これまでの慣例もあって考慮すべき要素が多々あるため、まずは関係省庁で何ができるかを検討していく必要がある。(統一に)必ずしもこだわらない」との見解を示した。

 柴山氏は「自分の名刺を見ると、残念ながら名・姓の順番でローマ字表記されている。今後オフィシャルの場では、姓・名の順で表記したい」と話し、近く文化庁に通知するという。

 政府関係者は「(姓・名の順にする)強制力はありません。クレジットカードは名・姓の順番で表記。日本のパスポートは姓・名の順番になっています。河野外相は来年の東京五輪・パラリンピック開催を機に姓・名を定着させたい意向ですが、菅氏は慎重な姿勢。どちらかに統一するのは難しい問題。混乱が収まるのにまだ時間がかかる」と話している。