【トランプ異例接待】安倍首相の誤算 KYツイッターで“密約”暴露

2019年05月27日 16時25分

夕食会場へ大統領専用車「ビースト」で向かうトランプ大統領

 令和初の国賓として来日中のドナルド・トランプ米大統領(72)を安倍晋三首相(64)が26日、ゴルフ、相撲、炉端焼きで接待した。日米関係をより強固にするのが狙いの安倍首相のおもてなしは成功にも見えたが、舞台裏では様々な問題に対し、日米の温度差が表面化。なかでも、トランプ氏がツイッターで“密約”を暴露したことで、今夏の参院選に影響を与えかねない状況に陥った。

 この日は朝から幸先が悪かった。トランプ氏は安倍首相とのゴルフの前にツイッターを更新して北朝鮮のミサイル発射について言及。北朝鮮は今月上旬に短距離弾道ミサイルを発射しており、ボルトン米大統領補佐官が国連安保理の制裁決議違反と指摘していたがトランプ氏は「私の側近や他の人の気に障ったが、私は違う」と問題視しない考えを表明した。日本にとって短距離ミサイルとはいえ、無視できないもので、日米の温度差が浮き彫りになった。

 また、ゴルフ後にもトランプ氏はツイッターを更新。「日本との貿易交渉で大きな進展があった。農業と牛肉で大きく動いている」とした上、具体的な交渉妥結は夏の参院選後になると表明したのだ。ゴルフの最中や昼食の時間に両首脳が話し合い、一定の方向性が確認されたことは疑いない。

 日米間の問題のひとつが貿易問題。米国は日本に農産物の関税引き下げを求めており、これを日本が受け入れるとなれば、国内の農家が反発するのは避けられない。そうなれば安倍首相にとっては参院選に悪影響が出かねない。安倍首相はどうしても問題を参院選後に先送りしたかったとの事情がある。そのため、かねて日米交渉の本格化は参院選後とみられていた。

 今回のトランプ国賓訪日で、この先送りができたので、おもてなしは成功に見えるが、そうではない。“密約”ともとれる内容をツイッターで暴露されたことはより問題なのだ。

 共産党の小池晃書記局長(58)はさっそく「もしも安倍首相が農業や牛肉の関税交渉で大きな譲歩をしたのであれば、しかも選挙前には明らかにしないことまで合意したのであれば大問題です。ゴルフの最中だし! 国会と国民に説明する責任があります!」とツイッターで指摘した。

 トランプ氏の暴露により、安倍首相が国会で厳しく追及されることになったのは間違いない。

 また、ゴルフ後の大相撲観戦ではトランプ氏は終始しかめっ面で、ここでも安倍夫妻との温度差は明らかだった。さらに、東京・六本木の炉端焼き店で行われた非公式の夕食会も予定より早めに切り上げたようだ。

 トランプ夫妻と安倍夫妻の4人は午後6時12分に入店。六本木5丁目の交差点は通行止めになり、警察に制止された外国人女性が「オ~、トランプ! ゴー・ホーム」と罵ったり、日本人男性が警察官と押した押さないの口論になっていたりと混乱が各所で見られた。

 いつまで食事が続くかと心配されたがトランプ氏は午後7時半にはあっさりホテルへ帰っていった。メニューはじゃがバター、サラダ、若鶏の串焼き、和牛ステーキなどだという。

 周辺の飲食店関係者は「通行止めでウチの店にお客さんが入れなくなると聞いたのは今日でした。キャンセルも出てしまいました」と苦笑い。事前に警察からはトランプ氏が退店するのは午後7時半から午後8時になると伝えられていたという。つまり、想定されるなかで最短時間で帰ったわけだ。

 安倍首相は1日を目いっぱい使ってトランプ氏を接待し、表面上は大成功とも思えたが、真相は貿易交渉の妥結時期の問題でトランプ氏に借りを作ってしまった。しかも、それをバラされ、参院選への悪影響は必至というからトホホとしか言いようがない。