“戦争発言”丸山議員 けん責案提出の裏事情

2019年05月21日 16時21分

丸山議員

 自民、公明両党は、北方領土を戦争で取り返す是非に言及し、日本維新の会を除名された丸山穂高衆院議員=大阪19区=のけん責決議案を21日に衆院に共同提出する方針を固めた。自民党の森山裕国対委員長が20日、国会内で記者団に明らかにした。両党は日本維新の会や立憲民主党など6会派が先に提出した丸山氏に対する辞職勧告決議案に難色を示し、別の対応を検討していた。

 渦中の丸山氏は20日、野党が提出した議員辞職勧告決議案に関し「発言に対して出すのは由々しき事態だ。言論の府が自らの首を絞めかねない。可決されても絶対に辞めるわけにはいかない」と国会内で記者団に語った。自身の発言については「全くもって、憲法の理念を逸脱しているとは考えていない」と強調した。

 一方、立憲民主党議員は「けん責は懲戒処分の中で最も軽微な処分ですし、法的拘束力もない。丸山穂高議員の政治家としての資質は、次の衆院選で有権者に決めてもらうほかありません」と話す。

 自民党が丸山氏をけん責という軽い処分にしたい背景については、今夏の参院選に向け党所属の国会議員に配布(15日)した“失言防止マニュアル”が「すでに役に立っていません」という“お家事情”があった。

 その証拠に同マニュアルが配布された3日後(18日)、谷川弥一衆院議員が、九州新幹線の長崎ルートを視察した際、新幹線建設に反対している佐賀県の対応を「韓国か北朝鮮を相手にしているような気分だ」と発言してしまった。

 自民党関係者は「失言防止マニュアルは、桜田義孝前五輪担当相の辞任を受けて作成した。安倍執行部は、所属議員が失言や誤解を招く発言をするたびに、野党から辞職勧告決議案を提出されては、国会運営に支障をきたすと判断。そんな前例を作らせないため、丸山氏をけん責決議案で済ませようとしている。それにしても、執行部が所属議員を手取り足取り教えても失言はなくなりませんよ」と肩を落とした。