“復興より政治家優先”発言で辞任・桜田五輪相 重責から解放され一転滑らか口調

2019年04月11日 16時00分

 桜田義孝五輪相(69)が10日、東日本大震災の復興よりも政治家を優先すると受け取れる発言の責任を取って、辞任した。言い間違い、うっかり発言を繰り返した“失言おじさん”に官邸もとうとうサジを投げた形だ。

 桜田氏はこの日、自民党の高橋比奈子衆院議員(比例代表東北ブロック)のパーティーに出席。壇上で「(五輪に)世界中の人が日本に来て、岩手県にも行くと思う。おもてなしの心を持って復興に協力していただければありがたい。そして復興以上に大事なのは高橋さんだ」と発言。これまでかばい続けた安倍晋三首相もついにお手上げで、事実上の更迭となった。

 桜田氏は昨年10月に大臣就任後、たびたび適性を疑問視されてきたことは周知の通り。五輪の開催予算1500億円を「1500円」、開催経費1兆3500億円を「1兆3500円」と何度も億を言い忘れ、追及した立憲民主党の蓮舫参院議員を「れんぽう」と言い間違え続け、物議を醸した。

 9日の参院内閣委員会では宮城県石巻市(いしのまきし)を「いしまきし」と発言。事務方が何度も助言したが、結局3回も間違えた。

 自民党関係者は「石巻を“いしまき”と本当に勘違いしているとは思えない。マイクや人前に立つとあがり症なのか飛んでしまう。今回の発言や白血病を公表した池江璃花子選手に対し、『がっかりしている』発言も悪意はないが、うっかりでも言葉が命の政治家としては救いようがない」。

 東日本大震災の復興絡みでは民主党政権で松本龍復興相が「知恵の出せないやつは助けない」、鉢呂吉雄経産相が「死の街」発言で辞任し、自民党政権では今村雅弘復興相が「東北でよかった」発言で同じく辞任に追い込まれた。

「統一地方選の最中に桜田氏を呼んで、しかも口が滑りやすいパーティーであいさつさせるとは何を考えているのか。危機管理の点からもあり得ない」(前出の党関係者)

 辞表提出後、桜田氏はこれまでがウソのような滑らかな口調で「けじめをつけた」と反省。大臣の重責から解放された桜田氏自身が一番ホッとしているかもしれない。後任は鈴木俊一元五輪相となる。