自民分裂・福岡で推薦候補敗北 面目失った麻生氏の影響力低下必至

2019年04月08日 16時00分

 福岡県知事選は自民党推薦の候補が敗北し、党内では責任論が浮上している。責任の所在は麻生太郎副総理と、“忖度発言”で国土交通副大臣を5日に辞任した麻生派の塚田一郎参院議員に集中している。

 保守分裂となった県知事選は、自民党の推薦を得られなかった現職の小川洋氏が、麻生氏や県連が擁立した自民党推薦の武内和久氏を破り、3選を果たした。麻生氏は7日、福岡市内で支援者らを前にして「当選させられず誠にふがいなく、我々の力不足だったことをおわび申し上げる」と述べた。

 政権中枢に君臨してきた麻生氏だが、今回の敗北により地元の福岡県連内での影響力低下は避けられそうにない。特に問題なのが忖度発言で副大臣辞任に追い込まれた塚田氏が、麻生派に所属していること。もともと銀行員だった塚田氏は、2000年に麻生氏の秘書に転身。その後、政治家の道を歩んだ。明らかに麻生氏の直系と言える。

 その塚田氏は1日、北九州市で開かれた福岡県知事選の応援集会で、安倍晋三首相の地元・山口県下関市と、麻生氏の地元・福岡県を結ぶ「下関北九州道路」の国直轄調査に触れて「安倍晋三首相や麻生太郎副総理が言えないので、私が忖度した」と発言した。2日には文書で事実と異なる発言だったとして撤回・謝罪していたが、5日に問題の責任を取って辞表を提出した。

 辞表提出の形を取っているものの、事実上の更迭である。野党から「利益誘導だ」と攻撃材料にされただけでなく、与党内からも更迭を求める声があふれていた。

 麻生氏が擁立した候補の敗北は、塚田氏の応援集会での致命的な失言が影響したのは間違いない。野党は今後、塚田氏の忖度発言に対する追及を強める方針とみられる。夏には参院選も控えているだけに、麻生氏にとっては地元・福岡で擁立した候補の敗北は痛恨と言えそうだ。