安倍政権Wイチローショック 3度目の国民栄誉賞辞退と「忖度」塚田副大臣辞任

2019年04月06日 16時00分

辞退したイチロー

 イチローなんて大っ嫌いだ!? 米大リーグを引退したイチロー元選手(45、本名・鈴木一朗)が、国民栄誉賞の受賞を辞退すると代理人を通じて政府に伝えたから、プロ野球ファンはガッカリか。ただ、今回で3度目の辞退。「イチローらしい判断」なんて声もファンの間からは出ている。三度目の正直にしたかった安倍晋三首相は、さぞガッカリなことだろう。それどころか、別の“イチロー”に思いっきり足を引っ張られているから、「イチローの名前を聞いただけで憂鬱になるだろう」と永田町関係者。とんだイチロー・アレルギーになりそうだ――。

 菅義偉官房長官が5日の記者会見で、政府の打診に対してイチロー側から「人生の幕を下ろした時に頂けるよう励みます」との返答があったと説明し、授与を見合わせると明かした。引退したからもらってくれるはず…と楽観していた安倍政権にとって“意外”な辞退は、政権へのダメージともなりそうだ。

 イチローの同賞辞退は3度目。本紙は3月22日発行紙面で、打診されても辞退するという関係者の見方を報じていた。

 2001年、04年に授与を打診され、断ってきたイチロー。01年はメジャー1年目で首位打者のタイトルを獲得した業績に対してだったが、「まだ若いので、できれば辞退したい」。シーズン最多262安打の新記録を樹立した04年は、「プレーを続けている間はもらう立場にはない」として断った。いずれも小泉純一郎内閣だった。

 同賞の第1号ソフトバンク・王貞治球団会長(78)はこの日、イチローについて「現役を辞めたからと思って、日本政府も打診したんだろうけどね。彼なりの考えがあるんだろうから。前にも断っているわけだから。周りがあれこれね。受ける受けないは、本人の問題だから」と尊重するコメント。

 イチローらしい決断にも「そういうこだわり、自分なりの考えを持っている」とうなずき、すでに国民栄誉賞的な存在である同氏に「そうそう。だから辞退はしているけれど、もうみんなはそういう思いで見ているからね」と改めて偉大な功績をたたえた。

 イチローへの授与が決まれば「令和」での受賞者第1号となることが確実だっただけに、安倍さんもガックリだ。

 政府関係者は「まさか辞退されるとは考えていなかった。ゴールデンウイークの10連休前に、新元号初の国民栄誉賞をイチロー選手が受けると発表して夏の参院選に突入しようともくろんでいた。でも断られて『安倍内閣がイチローを政治利用していた』と思われたダメージは大きい。内閣支持率が落ちるかも…」。

 そして、安倍政権にはもう一人の“イチロー”ショックが直撃した。

 道路事業を巡る「忖度」発言で5日、塚田一郎衆院議員が国土交通副大臣を辞任した。政府内では、塚田氏の辞任を事実上の更迭として統一地方選や衆院大阪12区、沖縄3区補欠選挙への悪影響を抑えるための判断だったとみている。

 メジャーリーガーだったイチローに三たびフラれ、副大臣のイチローは失言で辞任。「ざまぁみろ!」とばかりに勢いづいた野党は今後、安倍首相の任命責任を厳しく追及する方針。週明け8日には「第2回 塚田副大臣『忖度』発言問題 野党合同ヒアリング」を開催する。

 野党関係者は「安倍政権の忖度問題は、森友、加計学園に続いて3度目です。野党側は、安倍首相を襲ったダブルイチローパンチを選挙戦につなげられるか注目されています」と話している。

 悪いことは重なるとは言うものの「安倍総理も当分“イチロー”の名前を聞いただけで、憂鬱な気分になるでしょう。“イチロー・アレルギー”ですね」と永田町関係者がこぼすのもうなずける。

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