トランプ氏 ロシア疑惑“無実”に波紋 野党民主党は大反発

2019年03月26日 17時00分

トランプ氏(ロイター)

 米国のモラー特別検察官が米大統領選への干渉についてトランプ陣営とロシアの共謀を認定しなかったことを受け、ロシアのペスコフ大統領報道官は25日、同国メディアに「ボールは米国側にある」と、悪化した米ロ関係の改善に向け、米国側が最初に行動を起こすべきだとの認識を示した。

 ペスコフ氏は米国による中距離核戦力(INF)廃棄条約破棄の動きを例に「世界の安定と平和にとり重要な戦略的条約をロシアが最初に破壊しようとしたことはない」と指摘。「プーチン大統領は良好な対米関係を望んでいると何度も述べている」と強調し、途絶している首脳対話の再開にも期待を示した。

 ロシア外務省は声明で、共謀はなかったとの「当然の結論」を出すのに米司法当局は2年も費やしたと批判。「ロシア疑惑は全て、米政界の内部抗争のためにでっち上げられた根拠のない誹謗中傷であることを米国が認めれば、問題は決着する」と表明した。ロシア上院国際問題委員会のコサチョフ委員長は「対ロ関係を改善するチャンス。(米側から)何らかの提案が出るかもしれない」と期待した。

 一方、疑惑を追及してきた米民主党はトランプ氏が疑惑捜査を司法妨害した疑惑について、モラー氏が判断を見送ったことから「無罪放免ではない」と反発し、報告書の全面開示を求めて法廷闘争も辞さない方針だ。

 民主党下院議長らは声明でバー司法長官の中立性や客観性にも疑問を呈した。司法長官は特別検察官を監督する立場だが、トランプ氏の指名を受け2月に就任したバー氏は過去、モラー氏の疑惑捜査を批判したことで知られる。声明では「バー氏は捜査に偏見を持っていた。中立的な監督者ではなく、捜査報告書についても客観的な判断ができる立場ではない」と批判した。

 トランプ氏はほかにも、大統領選中に不倫問題で違法な口止め料の支払いを元顧問弁護士に指示した疑惑や、大統領選中にモスクワでの高層ビル「トランプタワー」建設計画を進めていたなどの疑惑を抱えており、野党の追及は続きそうだ。