大阪の未来に影響? “籠池劇場”初公判でも10分独壇場・夫婦で無罪主張

2019年03月07日 17時00分

出廷する籠池泰典被告

 国や大阪府、大阪市の補助金計約1億7700万円をだまし取ったなどとして、詐欺と詐欺未遂の罪で起訴された学校法人「森友学園」の前理事長籠池泰典(本名・康博)被告(66)と妻諄子(本名・真美)被告(62)の初公判が6日、大阪地裁(野口卓志裁判長)で開かれた。泰典被告は起訴内容の大半について、諄子被告は全面的に無罪を主張した。そんな籠池夫妻の裁判が、大阪の未来に影響するかもしれない可能性が浮上している。いったいどういうことなのか?

 濃紺のスーツ姿で、諄子被告とともに入廷した泰典被告は、罪状認否で証言台に促されると「国策捜査、国策逮捕で勾留されるのは許されない。官邸の意向と官邸への忖度で財務省が動き、大阪府知事が動いた重大事件だったが、国民の目をそらせるため別件逮捕した。(安倍晋三首相の)昭恵夫人と親しかった妻も逮捕し、300日間、人質司法で国策勾留したのは口封じ。権力者に対する忖度は払拭できない」と手元に用意した書面を読み上げた。

 大阪・豊中市に建設予定だった小学校について「多くの方が賛同し、推進していたが、あと少しのところで値引き問題が勃発。安倍首相は保身にかじを切った」と痛烈に批判する一方で、大阪府・市の補助金については「事実と異なる申請をして、本来は受けるべきではなかった補助金を受け取ったのは否めない」と一部、自らの非も認めた。

 途中、検察側から陳述の停止を要請される場面もあったが、裁判長が却下すると、長女・町浪さんといまだ接見禁止状態であることや、前日に実母が亡くなったことなど苦難の日々を告白。忖度に左右されない司法のもとで、正々堂々判断を受けると宣言し「りんと咲く 日の本(ひのもと)一の 夫婦花(めおとばな)」と一句。約10分間にわたる“籠池劇場”を締めくくった。

 一方、諄子被告は「全く関与していないし、夫と共謀もない。私は無罪です」と全面的に無罪を主張した。

 注目の初公判とあって、54席の一般傍聴席に対し642人の希望者が殺到。傍聴席に用意された関係者席には、接見禁止とされる町浪さんらしき女性の姿もあった。

 そんな籠池被告の公判が思わぬところに影響するかもしれない。

「大阪都構想ですよ。大阪維新の会は地盤沈下が激しく、4月の統一地方選に向け、人気のある松井一郎府知事と吉村洋文市長が先頭に立って同知事・市長のダブル選挙をすることで挽回したい思惑がみえる。これ以上議席が減ると、都構想は公明党の協力以前の問題ですから。そこに、かねて(小学校の認可を巡って松井氏に)『ハシゴを外された』と話している籠池被告が法廷で恨みつらみを並べたら、松井さんの人気が危うくなる可能性がある。実際に今日の公判でも触れていたようですし」とは府政関係者。

 松井知事は、7日に行われる都構想を議論する法定協議会の採決で、公明党の協力が得られないと判断した場合、8日にも吉村市長と辞職表明し、4月の統一地方選と同日に、2人が入れ替わりダブル選に挑む考えを示している。

 初公判に先立ち、本紙の取材に応じた泰典被告は「都構想を実現に向かわせるために、府知事と市長をひっくり返す(選挙で入れ替わる)なんて言ってるけど、あんなもん言語道断。選挙民を愚弄している」とバッサリ。

 また、松井知事については「普通の政治家が考えないことを言い、選挙民に天国に行かせるような期待をさせるんだけど、実際は地獄の底。やっちゃいけないことばっかりやってる。政治家なんだからいいかげんなことばかり言ってないで、私の私学の認可でも、権限を逸脱して『認可しない』と言うのなら、きちんと説明すべき」。さらに不満は続き、「あと、安倍官邸に忖度するなと言いたい。官邸とダイレクトにつながってることをかさに着てるから、二階(俊博自民党幹事長)さんからも『思い上がっている』と言われる。それなら府議時代に所属していた自民党に戻ればいい。地方自治体の首長なんだから自分で考えて、沖縄の(玉城)デニーさんくらいの決断力をもって対応しろと言いたい」と切って捨てた。

 選挙戦への影響を考慮したのか定かではないが、次回公判は5月29日に開かれる。