交際していた女性から準強制性交容疑で刑事告訴され、自民党を離党した田畑毅衆院議員(46=比例東海、当選3回)が27日、辞職願を衆院に提出した。

 28日発売の「週刊文春」は、田畑氏が9年前に起こした高校2年生の女子生徒(16=当時)との淫行疑惑を掲載。自民党は21日に田畑氏からの離党届を受理したが、野党だけではなく、自民党内からも非難の声が上がった。

 永田町関係者は「強制性交での刑事告訴に、日常的な盗撮も明らかになっては、有権者の理解はもちろん、自民党や野党からの追及に耐えられない。議員活動の継続は困難と判断したのでしょう。今後は、議員を辞めれば、国会会期中の国会議員の不逮捕特権はなくなるので、容疑が固まった段階で逮捕になる可能性が高い」と語る。

 捜査関係者によると、女性は昨年12月の田畑氏との飲酒を伴う会食後、自宅で就寝中に乱暴されたとする告訴状を今月、愛知県警に提出。田畑氏の携帯電話に女性の裸の画像が保存されていたとして、軽犯罪法違反容疑でも被害届を出した。

 田畑氏は日銀勤務を経て、2012年の衆院選比例東京で初当選。17年衆院選は愛知2区から出馬して敗北したが、比例東海で立憲民主党の獲得議席が候補者数を上回り、自民党に譲られた最後の1議席に滑り込んで復活当選した。

 自民党が政権を奪還した12年に初当選した議員は「魔の3回生」と呼ばれ、不祥事が相次いでいる。宮崎謙介氏が女性タレントとの不倫で議員辞職。豊田真由子氏は秘書への暴力や暴言が発覚して離党し、落選した。

 田畑氏の辞職は本会議で認められる見通しで、自民党岸田派の吉川赳元衆院議員(36=当選1回)が繰り上げ当選する。

「田畑氏は二階派所属。吉川氏は、無所属のまま二階派入りした細野豪志元環境相と衆院静岡5区で議席を争ってきた経緯がある。岸田、二階両派のあつれきが今後強まるのは避けられない情勢」(前同)と新たな火種になりそうだ。