勤労統計不正問題で幹部を懲戒処分へ 厚労省解体案まで飛び出し紛糾必至

2019年01月18日 17時00分

野党議員から追求された厚労省幹部(手前)

 政府は「毎月勤労統計」の不正調査問題で、厚生労働省の鈴木俊彦事務次官ら関係者を近く懲戒処分する。同問題の影響で、延べ2000万人に雇用保険や労災保険の過少給付が生じ、2019年度予算案の閣議決定をやり直さねばならない異例の事態を招いた幹部らの責任は重いと判断したからだ。

 根本匠厚労相は17日、東京都に関する不正な一部抽出調査を正当化する記述が、15年のマニュアルから削除されていたことを認めた。この日、政府統計を所管する総務省の統計委員会では、抽出調査に変わっていた経緯について質問が相次いだが、厚労省側は「調査中」と繰り返すばかり。

 反省の姿勢を示さない厚労省の態度に、出席した統計委員は「厚労省に裏切られた」と激怒。自民党議員は「厚労省のずさんな調査で政府統計が信用されなくなった。党内では『厚労省の官僚は、劣化を通り越して詐欺罪に値する犯罪行為を行ったことを全く自覚していない』との声が上がっている。今後、逮捕者が出る可能性も十分ある」と指摘した。

 一方の野党は国会内で「第1回勤労統計問題 野党合同ヒアリング」を開いた。野党議員は、厚労省が昨年1月に行ったデータ補正を公表しなかったのは「安倍内閣の経済政策“アベノミクス”に関し、意図的な隠蔽工作を行ったからか」と追及。だが、同省は「調査中です」と答えるにとどめた。

 ある立憲民主党議員は「霞が関の中央官僚は過去に不祥事で退職した局長クラスが別の部署で再雇用される。政治家は不祥事を起こせば社会的な制裁を受けるし、選挙という審判がある。官僚は反省もせずに働けるのは大問題だ。今後、厚労省の解体的な出直しを訴えていきます」と語った。

 旧厚生省と旧労働省が合併してできた厚労省については、かねて分割論も浮上している。今回の不祥事発覚はその追い風になる可能性もありそうだ。