「この壁画は旭日旗だ」韓国系団体のイチャモンにヘレン・ケラー創設団体が待った

2018年12月20日 07時15分

スタントン氏が描いた壁画(@beaustanton/instagram)

 米国・ロサンゼルス市で公立学校の体育館に描かれた壁画が「旭日旗を思い起こさせる」と地元の韓国系住民らが騒ぎ立て、壁画を消すよう求めていた騒動が好転した。同市の統一学区理事会は、住民らの要望を受け入れることを表明していたが、今週になって一転、決定を一時保留する考えを発表。全米で最も影響力のあるNGO団体と、全米の学校長らが名を連ねる協会が壁画消去に異議を唱えたためだった。

 ロサンゼルス市の統一学区理事会が壁画消去から一転し、一時保留としたと報じたのは米紙ロサンゼルス・タイムズ。

 壁画があるのは韓国系住民が多く住むコリアタウン内の公立校「ロバート・F・ケネディ・コミュニティー・スクールズ」。壁画はハリウッドの往年の名女優エバ・ガードナーの横顔とヤシの木をモチーフに、青と赤の光が放射状に広がる構図で、2016年に完成したもの。

 これにかみついたのが「ウィルシャー・コミュニティー連合」と名乗る地元の韓国系住民ら。同団体は今年秋、突然「壁画は第2次世界大戦以来の日本帝国主義を示す旭日旗を描いている。人類に対する最も恐るべき犯罪の一つとなった日本軍の侵略を象徴している」などとして学校側に壁画の消去を要求した。

 これに、同校を管理する統一学区は「クリスマス休暇中に壁画を消去する」と発表していた。

 放射線状に広がるデザインを見ると、何でも旭日旗に結び付け「ナチスのかぎ十字と同じだ」などと反日運動に利用してきた韓国人だが、その傾向は海外の韓国系住民も同じだった。騒動を起こしては自分たちの主張をゴリ押しし、成功したかと思われたが、今回は相手が悪かったようだ。

 韓国系住民らの言い分に対し「表現の自由が侵される」として危機感を訴え、真っ向から異議を唱えたのが、あのヘレン・ケラーらが創設した全米で最も影響力のあるNGO団体「アメリカ自由人権協会」(ACLU)と、全米の学校長らが名を連ねている「アメリカ学校教育責任者協会」(AASA)だ。前者は全米に約1万5000人の会員を持ち、後者は約50万人が名を連ねる巨大組織だ。

 これらの団体は「壁画の消去は、生徒たちが多様な考え方や見解に接する機会を一方的に奪い、許可・不許可を決める公共の圧力に屈する危険な前例を作りかねない」との声明を発表した。

 壁画を描いた画家ボー・スタントン氏(32)も、ロサンゼルス・タイムズ紙に作品と旭日旗との関連性を否定した上で「太陽の光は世界共通のシンボルだ」と説明。「チベットや米国・アリゾナ州の旗も使っており、日本だけではない。小さな団体の主観的な意見だけでそうしたシンボルが検閲されることになりかねない」と表現の自由を訴えた。

 同紙によると、統一学区の担当者は決定保留について「大きな反響があり、さらなる議論が必要だ。現時点ですぐに塗り消すことはしない」とコメントしている。

 この学校は、ケネディ大統領の弟で民主党大統領候補だったロバート・ケネディ氏の暗殺事件(1968年)の舞台となった「アンバサダー・ホテル」の跡地に建設されたもので、その死を悼んで同氏の名前が校名になっている。そのロバート氏の息子2人も同校区理事会に「表現の自由」を訴え、壁画消去に反対していた。