第197臨時国会(会期末12月10日)は24日に召集されたが、安倍新内閣で唯一の女性閣僚として注目を浴びた片山さつき地方創生担当相(顔写真)の国税庁に対する“口利き疑惑”が話題の中心になっている。

 片山氏は「国税口利きで100万円」と報じた週刊文春の記事で名誉を傷つけられたとして22日に、発行元の文芸春秋に1100万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

 23日に行われた会見で片山氏は「週刊誌記事には、事実と違うところがある。今後、事実関係が明らかにされていくと思う」と語った。だが、詳しい内容に質問が及ぶと「控えさせていただきます。現時点では(弁護士から)控えてもらいたいと言われておりますので。私だけの判断ではできませんので、控えさせていただきます」と明言を避けた。

 一方、片山氏を早期辞任に追い込みたい野党5党1会派(立憲民主党、国民民主党、共産党、無所属の会、自由党、社民党)は、あっせん利得処罰法を所管する法務省と口利きの有無に関して国税庁からヒアリングを行った。

 立民議員は「口利きを依頼したとされる会社経営者は『100万円を振り込んだのは事実』と発表した。我々は関係者の証人喚問を要求する方針だ」と話す。

 野党が“片山シフト”を取る理由は何か。「片山氏の問題は単純で分かりやすく、ワイドショーで取り上げやすい。予算委員会では、テレビ中継もある。野党議員の存在感を示すことができる」(同議員)

 しかし、肝心の攻めの材料に関しては乏しいようだ。

 野党関係者は「野党議員は、文春の第2弾の疑惑報道を待っている。議員同士の間では『長野県のX社長が新たに暴露するのかなぁ~』と話すほど。野党各党には、自民党のような調査能力がないのが問題です」と話した。