自民党総裁選(20日投開票)は北海道地震の影響を受け、安倍晋三首相と石破茂元幹事長による注目の“街頭演説バトル”実現の見通しが立たない状況となっている。

 同党は7日の告示日に候補者推薦届出を行うが、所見発表演説会と安倍、石破両候補者の共同記者会見は10日に延期すると発表した。

「今週の日曜(9日)に党本部で予定された自民党青年局・女性局主催の安倍首相、石破氏による公開討論会の中止も決まった。今後の総裁選期間中、安倍、石破両候補者のメディア出演予定もメドが立っていません」と同党関係者は話す。

 石破陣営が安倍陣営に強く要求した街頭演説会は、8日に都内で街頭演説と日本記者クラブ主催の公開討論会、15日に京都府と佐賀県、16日に三重県と北海道など全国5か所で行う予定だが、開催が危ぶまれている。

 安倍首相支持の同党国会議員は「地震発生から3日間は人命救護が最優先。各省庁から被害者の避難所での生活や物資の輸送状況をヒアリングしたが、現地はストレス等でパニック寸前だという。前回の総裁選の街頭演説会は全国17か所だったが今回は少ない。北海道では被災者の方々にお見舞いを申し上げるのが精一杯で、街頭演説会が行える環境にないかもしれない」と話した。

 6日、東京・永田町の党本部には街宣車3台が安倍、石破両候補が街頭演説会で使用するために待機していたが、出動できるか不透明だ。

 石破陣営関係者は「石破氏は街頭演説会を自民党の将来、深みのある議論を行うために安倍陣営に要求した。演説会は党員・党友はもとより有権者へのアピールの場になるはずなのに安倍陣営は嫌う。苦手なことはやりたくないということなのか。だが、北海道地震の影響で開催できるかどうか分からない」と話している。