来月7日の告示が見込まれる自民党総裁選(20日投開票で調整中)は、3選を目指す安倍晋三首相と石破茂元幹事長の一騎打ちの構図だ。そんな中、党内で最も注目されているのは、将来の首相候補である小泉進次郎筆頭副幹事長の行動だという。

 山梨県の別荘で夏休みを過ごす安倍首相は16日、首相経験者の森喜朗氏や小泉純一郎氏、麻生太郎財務相らとゴルフを楽しんだ。

 先週、山口県長門市にある父親の安倍晋太郎元外相の墓参りのあと安倍首相は、総裁選への対応について「さらに重責を担っていくという判断をしていきたい」と話し、3選に向け強い意欲を見せた。

 安倍首相支持の同党国会議員は「この日までの多数派工作で、安倍首相は党所属国会議員の8割を固めた」と明かす。

 安倍首相が議員票で大差をつけそうな総裁選で唯一の見どころが、国会期間中に突然、若手議員を集めて「国会改革だ」などと“反安倍”の姿勢を鮮明にした進次郎氏の対応だ。

 6年前の総裁選で進次郎氏は石破氏を支持。今度の総裁選では「じっくり考える」と話し、どちらを支持するかは表明していない。

 しかし、前出の国会議員は「進次郎氏が今回、“反安倍”に出ず、安倍首相の支持に回れば『進次郎氏は政治的に大人の対応をした』と評価される」と話す。

 現在、筆頭副幹事長を務める進次郎氏に関して同党関係者は「安倍首相が自民党の“王道”路線を歩ませるために期待を込めたポスト。進次郎氏も自覚しているはず」と指摘する。

 今回、進次郎氏が安倍首相に1票を投じれば、いよいよ“反逆”の若手政治家を脱却し、首相への“王道”を歩む覚悟を決めたという意思表示となる。安倍3選濃厚ムードの中、進次郎氏の1票に注目が集まっている。