新潟県の米山隆一前知事の辞職に伴う県知事選は10日投開票され、無所属新人の前海上保安庁次長花角英世氏(60=自民、公明支持)が、元県議池田千賀子氏(57=立民、国民、共産、自由、社民推薦)ら無所属2新人を破り、初当選した。

 同知事選は、東京電力柏崎刈羽原発(柏崎市、刈羽村)の再稼働問題や人口減少問題などが焦点。今回の選挙戦は「投票箱のフタを開けてみないと、勝敗の行方が分からない」と声が上がるほど接戦となった。

 花角氏が負けた場合、モリカケ&財務省問題で大ピンチの安倍晋三首相は、自民党内から“安倍降ろし”に見舞われることが予想されたが、接戦をものにした。同日深夜、党本部で会見した二階俊博幹事長は9月の総裁選で3選を目指す安倍首相に関して、「追い風。いい風が吹いてきた」と話した。

 一方、野党5党が連携し応援した池田氏は惜しくも競り負けた。

 野党関係者は「国民の不信感を増幅させた安倍政権への批判の声は、大接戦だったことである程度示された。最大の敗因は、野党連携といっても、裏ではバラバラだったこと。敗戦後は、各党から『国民民主党は選挙で全く役に立っていなかった』『選挙戦の最終日、蓮舫氏(立民)が池田氏の応援に入ったが、女性票の獲得につながらなかった』と“中傷合戦”が始まった」と肩を落とした。

 渦中の安倍首相はカナダで開催されたG7サミット(主要7か国首脳会議)を終え、11日夕方に帰国する予定だ。

 同サミットでは、米朝首脳会談で取り上げられる予定の拉致問題に関し、早期解決に向けて各国の支持を取り付けることに成功した。自民党関係者は「安倍総理総裁は、母親の洋子さんの誕生日(11日)パーティーの予定を延期して、翌日の米朝首脳会談を見守る意向です」と話した。