東京五輪「限定休日法」前進の舞台裏

2018年06月05日 17時30分

 2020年に限って東京五輪開・閉会式の前後に「海の日」「山の日」を移動することを定めた「東京五輪・パラリンピック特別措置法改正案」が先頃、与党と立憲民主党などの賛成多数で衆院を通過した。背景には自民党内の攻防と小池百合子東京都知事からの説得があったという。

 同法案は20年に限り、五輪の開会式前日の7月23日に「海の日」、開会式当日の24日に「体育の日」、閉会式翌日の8月10日に「山の日」をそれぞれ移動させて休日とする。東京五輪開催を機に、20年から「体育の日」を「スポーツの日」に、「国民体育大会」を「国民スポーツ大会」に改める法律の改正案も衆院本会議で全会一致で可決している。

 東京五輪・パラリンピック組織委員会によると、7月23日、24日、8月10日が警備と交通渋滞のピークになると分析。混乱を避け、首都機能がマヒしないよう「休日にしたい」という意見が出て検討されていた。

 政府関係者は「世界中の政府要人や選手団、IОC(国際オリンピック委員会)関係者ら、五輪直前に来日する数は1万6000人と想定される。移動は専用車両やバス。五輪の開・閉会式前後などを休日にすることで経済活動への影響を抑え、警備しやすい環境を整えるのが狙い」と話す。

 舞台裏では五輪開催と休日をめぐる激しいバトルが自民党内で繰り広げられていた。

 自民党関係者は「党内には山の日議員連盟、海事振興連盟があって『海の日、山の日を祝日として固定化を望む』と、東京五輪のために祝日をずらすことに反対の意向を示していた」という。

 両議連を説得したのが小池都知事だった。「両議連の会長が元衆院副議長だった衛藤征士郎氏。衛藤氏は2008年に小池氏が自民党総裁選に出馬した時に推薦人代表を務めた近い存在。小池氏が『東京五輪成功のために』と説得し、衛藤氏が矛を収めたのです」と同関係者は話している。