日朝首脳会談実現へ“裏パイプ役”安倍首相が頼るモンゴル政府

2018年05月08日 16時45分

 安倍晋三首相は日朝首脳会談の年内実現に向けて準備を始めた。

 北朝鮮の6日付朝鮮労働党機関紙「労働新聞」では、安倍首相が北朝鮮への圧力を維持しながら、米国や韓国を通じ、日朝対話を模索していると非難し「悪い癖を捨てない限り、1億年たってもわれわれの神聖な地を踏むことはできない」と主張した。

 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は、南北首脳会談で「いつでも日本と対話を行う用意がある」と言及。それでも北朝鮮メディアが対日批判を続ける背景には、安倍首相の「非核化が具体的に伴わない限り、圧力を維持する」という強い立場をけん制したとみられる。

 日本政府は、9日に行う日中韓首脳会談で、拉致問題の解決に向けて協力を要請する方針。北朝鮮とのパイプが強いロシアに対しても、水面下で協力を呼びかけ、日朝会談実現への地ならしを進めている。

 政府関係者は「仮に日朝首脳会談が実現した場合、安倍首相は拉致問題の完全解決を、正恩氏は日本の経済援助を要求するだろう」と話す。

 日本と北朝鮮には国交がなく、北朝鮮に在外公館はない。安倍首相は年内の会談の実現に向け、今月下旬から来月上旬に開催予定の米朝首脳会談の結果を見極めた上で、外務省と防衛省の職員で構成する“先発隊”を平壌に派遣し、緊急の連絡事務所を設置するプランがある。

 しかし、日朝を結ぶために必要な“パイプ役”は米中韓ロだけで果たせるのか。

 自民党関係者は「安倍首相は、中国や韓国よりも北朝鮮と深い関係を持つモンゴル政府と太いパイプを持っている。小泉純一郎元首相と故金正日総書記の日朝首脳会談の際には、モンゴル政府関係者が活躍した。モンゴル政府に裏パイプ役を要請する可能性は高い」と明かす。