海洋堂が“ガチャガチャ”本格参入

2013年01月29日 10時30分

 日本で「フィギュア」という名称が広まったのは、確かにチョコエッグブーム以降だ。ただチョコエッグ発売当初、宮脇社長もあれほどのヒットになるとは予想せず「10万個出ればいい」と考えていたという。しかし出来の良さが話題になり、1か月目から60万個、50万個、50万個と売れ、4か月目から月に100万個が売れる商品に。翌年のシーズンは月1000万個を売るお化け商品となった。チョコエッグ後も人気は続いたが、大手や新興企業がミニフィギュアに参入してくると「うちは皆がやってると嫌になる会社なので、引きました」。その後、中国の人件費の高騰もあって食玩、ミニフィギュア市場はすっかり失速した。「じゃあ、そこでうちがもう一度、というのが今回の企画の始まりです」

 中国の人件費は5年前に比べ「月給が6000円から3万円まで上がってます」という。しかし、中国の工場には以前に毎月通って指導し蓄積した技術がある。上昇分は「利益を削り、やせ我慢して踏ん張るだけです。安くする魔法なんてない」。昨年は日本企業を標的にした暴動も発生。不利な条件が揃っているが、それでもあえて今回乗り出したのは「フィギュアを飾る文化をしっかりと日本の家庭に根付かせたいから。カプセルQのサイズは机や本棚にちょいと並べられ、日本の家の身の丈に合ってます。300~400円でこれだけ出来のいいミニフィギュアを売れる会社は他にないでしょう」。

 ガチャガチャを選んだのは「日本中、どこでも置けるから」。また「国立近代美術館では岡本太郎作品フィギュアが7万個売れました。高知・四万十町にある海洋堂ホビー館には年10万人もの方が来てくださる。マニアではない方々に潜在的な需要があるのは確かです」と読んでいる。

 宮脇社長の“積極策”の裏にはこんな考えがある。「フィギュアは“模型の神様”が来てくれて、社会現象を起こすことがあるんです。偶然3つ4つの要素が揃い、歯車がカチッと動く。僕らはその時のために常に1つは歯車を用意してないといかんのですよ」