レンタカーで「憧れの名車」に乗る!

2014年11月15日 09時00分

1番人気の「スーパー7」に乗る北沢氏

 過ぎ去った記憶がよみがえる!? 若かりしころには買いたくても買えなかった憧れの名車に乗れるレンタカーサービスが話題になっている。35歳以上の大人しか利用できない名車レンタルとは一体どんなものなのか? モータージャーナリストの北沢剛司氏とともに体験取材してきた。

 名車レンタルサービス「Service X」を始めたのは、タイムズカーレンタル「タイムズステーション有楽町イトシア店」だ。

 ここでは、ウエストフィールドSE「スーパー7レプリカ」、アルファロメオ「スパイダー」、マツダ「RX―7 カブリオレ」、日産「フェアレディZ S30」の4台が、1時間2700円(税込み、クレジット決済のみ)という手頃な価格でレンタルできる。ただでさえ修理や管理が難しい名車をレンタカーにしてしまって本当に大丈夫?

「確かに部品の生産が終わってしまったり、年季が入っているがゆえのトラブルが起きてしまうこともあります。ただ、このサービスは単純に珍しい車をレンタカーにするというよりも、弊社にとってはマーケティングの幅を広げるための壮大な実験なんです。35歳以上限定にしたのも、レンタカーの事故率が低いからだけではないんです」

 こう語るのは、タイムズモビリティネットワークス株式会社(広島市中区)の執行役員、秋田剛児氏。一体、どういうことなのか。

「普通のお客様がレンタカーに乗る機会は、せいぜい年1~2回程度。その利用シーンを考えても、同業他社との価格勝負だけになってしまうのです。近年、都市部でカーシェアリングも広まっていますが、こちらは完全会員制で、そもそも車を自分で所有しないという選択をした人の利用がメーン。そのどちらでもなく、車本来の魅力を感じる人たちを取り込むのが一番の狙いなんです。気軽に乗ってもらえるように料金も1回飲みに行くのと同じくらいにしましたし、有楽町を選んだのもそういう理由です」

 実際、平日の会社帰りにちょっとドライブする人もいれば、地方から同様の車種の購入を考えて試乗しにくる人もいる。1番人気はスーパー7だが、「ほかの車も乗ってみたい」とリピートして乗り比べを楽しむお客さんもいるとか。

 今後はどのような展開を考えているのか。

「まだサービスを始めて3か月なので、結論に至るデータは集まっていません。しかし、スーパー7に人気が偏っている現状を見ると、もっとエッジが立った車を導入してもいいのかなと(笑い)。スーパー7は折を見て増車したいと考えています」

 というわけで、いよいよ試乗だ。キーを回すと、一発でフェアレディZの乾いたエンジン音が響き渡る。これには北沢氏も「きちっと整備されていて状態がいいですねー」と大興奮。カーナビとETCが後付けされているものの車内装備も空間も、1970年代にタイムスリップしたようだ。

 最初こそ「ステアリングが重い…。昔を思い出しますね」と若干戸惑った様子だが、走り始めると自然と笑みがこぼれる。いつしか「フェンダーミラーって自分で調整するのが大変じゃないですか。小さいころ、父親のミラー調整を手伝いましたよ」と昔話に花を咲かせ、「加速も素晴らしい! こんなに楽しい取材だと、仕事であることを忘れそうです」と絶賛の嵐。そう、名車は大人をワクワクさせる特別な力を持っているのだ。

 久しぶりのMT車を不安に思う人もいるかもしれないが、車内装備の使い方についてはスタッフが丁寧に説明してくれるので心配ご無用。合わせて、1時間や2時間の利用にぴったりなドライブコースも提案してくれるのがありがたい。

 銀座に近い場所柄、奥さんが買い物を楽しんでいる間、名車でちょっとドライブを楽しんでくる…なんて使い方もいいだろう。