コロナ禍でも不況知らずの「スシロー」 既存店にはないメニューでテークアウト専門店が絶好調

2021年05月07日 18時45分

「スシロー」のデリバリー限定どんぶり全5種

 長引くコロナ禍で多くの飲食店が苦戦する中、回転ずしチェーン「スシロー」が絶好調だ。同チェーンなどを展開するFOOD&LIFE COMPANIESが6日に発表した2020年10月~21年3月の連結決算によれば、売上収益が前年同期比10・1%増の1190億円、当期利益は52・7%増の77億円と、上半期としては過去最高を記録。同社の水留浩一社長は「国内24店舗をはじめ、タイへ初進出など、国内外での積極的な新規出店が功を奏した。持ち帰りや宅配も好調」と語る。

 伸長要因の一つが、上半期に3店舗開業した新業態のテークアウト専門店「スシロー To Go」。駅ナカ・駅前ビルといった通勤・通学の生活動線上への出店を加速し、年内に10店舗以上のオープンを目指す。

「時短営業が続く中、どこの飲食店も持ち帰りや宅配を強化するのは当たり前。その点、スシローはテークアウト専門店とデリバリー、それぞれでしか味わえない専用商品を拡充し、店内飲食と見事に差別化している」と、外食業界に精通したアナリストは舌を巻く。

 宅配は自社に加え、ウーバーイーツ、出前館などと提携していて、デリバリー限定の「どんぶりメニュー」全5種は、店舗では丼ものがないこともあり、宅配人気を後押ししている。特筆すべきは独自開発のしゃりとネタが分けられるセパレート容器で、冷たくなると固まるしゃりを、レンジで人肌程度に温めておいしく食べられるように細部まで工夫されている。

 一方、既存店も好調で、国内既存店の売上は前年同期比1・7%増。時短営業が続いた4月も昨対79・6%増で、19年4月との比較でも0・1%減と、コロナ以前の水準をほぼ取り戻した。

 3月開業の新宿三丁目店は、都市型で最大級の208席。時短営業にもかかわらず初日1000人以上の来店、初日売上の最高記録を達成している。非接触を可能にする環境も整っており、「自動案内システム」は300店舗以上、「自動土産ロッカー」は100店舗以上に導入済み。店員と接することがなく席についたり、商品を受け取れるので、安心・安全だ。

 持ち帰り利用の主婦は「この店舗のロッカーはスタッフがキッチン側から入れて、客は店側から取り出すタイプなので、完全非接触でありがたい」と満足げ。

 今後も国内外で多数の出店が予定されており、スシローの快進撃はまだまだ続きそうだ。

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