注目資格「太陽光発電アドバイザー」

2012年07月31日 12時00分

 昨年に続き今夏も深刻な電力不足が叫ばれており、その対応策として太陽光発電への関心がますます高まっている。しかし、販売をめぐるトラブルが増加していることも事実。そこで注目されるのが「太陽光発電アドバイザー」という資格だ。資格を立ち上げたNPO法人「日本住宅性能検査協会」(東京都港区)の大谷昭二理事長に聞いた。

 地球温暖化防止への意識の高まりに加え、原発事故以来、太陽光という「再生可能エネルギー」に注目が集まっている。経済産業省によれば、最も順調に普及した場合で、2030年までに住宅用で1000万戸に導入されると見込まれる。

 大谷氏は「ソフトバンクの参入が注目されましたが、太陽光発電の開発競争はすさまじいものがある。それに7月から事業用太陽光発電の全量買取制度が始まったことで、異業種からの新規参入が増え、販売競争がシ烈を極めている」と語る。

 良心的な太陽光発電システムの販売業者がほとんどだが、トラブルも急増中だ。国民生活センターによれば「2011年度は相談件数が3500件を超えました。これは前年比の約3割増で、過去最高になります」。相談件数の7~8割は訪問販売に関するもので、「契約後に業者と連絡が取れなくなった」「実際より多めの発電量を説明された」「余剰電力の売買価格を高く偽られた」などの事例があるという。

 こうした背景もあり「太陽光発電アドバイザー」には、主に一般住宅用太陽光発電システムの導入に際して適切なアドバイスを行い、安心して太陽光発電システムを導入できるようにする役割が期待される。また、メンテナンスが必要になるため、導入後のトラブルを解決する役割も担う。

 試験内容は太陽光発電システムの施工技術に加え、法律的、技術的、経済的、行政上の諸問題など多岐にわたる知識を問う(実技はなし)。択一式形式による50問で、合格者には同協会から太陽光発電アドバイザー認定カードが発行される(登録手数料として1万3000円かかる)。

 大手パネルメーカーも独自に「ソーラー施工」の認定制度をスタートさせているが、第三者機関による資格は初の試みだ。すでにメーカーからも公正・中立な機関による資格実施に期待する声や、導入を検討する動きもあるという。

 年齢・性別・学歴などの受験資格は一切問わないが、業者は取得することで「専門性をアピールすることができ、他業者との差別化、コンプライアンス意識の高さを対外的に示すメリットがあります」(大谷氏)。

 将来的に日本が太陽光発電の先進国になれば、パネルメーカー、宅建業者、リフォーム業者などに太陽光発電アドバイザーがいる状況が生まれるかもしれない。

 大谷氏は「一般消費者を相手にする場合は専門知識はもちろん、メンテナンスが不可欠の業務のため信頼関係の構築が重要です。この資格は、専門的知識及び行動規範を認証する証として社会的に認知されると確信しています」と語る。

 注目の第1回「太陽光発電アドバイザー」資格試験は10月8日に全国7会場(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、岡山、福岡)で開催される。願書受け付けは9月7日まで(消印有効)。受験手数料は8800円で、合格発表は10月29日となっている。試験は今後も年2回実施される予定だ。