NTTドコモ完全子会社化で〝爆騰〟 株主ボーナス次なるお宝銘柄は? 

2020年09月30日 10時39分

完全子会社化されるNTTドコモ(ロイター)

 コロナ禍で異例の大盤振る舞いだ。NTTは29日、NTTドコモの完全子会社化に向け、株式公開買い付け(TOB)の実施を発表した。前日終値2775円に対し、買い付け価格は3900円と、約41%ものプレミアムを上乗せした格好だ。菅政権誕生の追い風もあり、市場では次なる親子上場解消のお宝銘柄を探る動きが加速。こうした状況で、お宝を引き当てる攻略法を株式評論家の山本伸氏に聞いた。

 NTTによるドコモのTOB見通しは29日未明に報じられ、同日は買い注文が殺到した。28日の終値2775円に対し、29日の終値は15・8%高の3213円となった。その後、NTTは会見を開き、9月30日から11月16日までのTOBを正式に発表。買い付け価格は3900円と、28日終値から約41%もの高値がつけられ、2度の衝撃となった。

 NTTが上場子会社であるNTTドコモの完全子会社化を図るように、最近は親会社と子会社がともに株式を上場する「親子上場」を解消する動きが相次いでいる。親会社主導による迅速な意思決定で事業を強化できるほか、子会社の利益をすべて取り込める利点もある。

 こうした親子上場の解消は政府が力を入れ始め、東京証券取引所もルールの厳格化に乗り出していることもあって、ここ数年、株式市場のトレンドでもある。

 昨年暮れには東芝や三菱ケミカルホールディングス、今年はソニーが一部子会社の親子上場を解消し、子会社はいずれも株価が上昇した。今回、総額4兆3000億円にも上るNTTの巨額TOBが引き金となって、市場では親子上場解消が一層進むという期待が高まっている。

 株式評論家の山本伸氏は「親子上場では、子会社が親会社の方ばかりを見て経営しているから株主に冷たい、配当が少ない…と、『欧米では考えられない経営の仕方だ』と批判にさらされてきた。親子上場解消について、安倍晋三首相の時は紳士的にやんわりとしか言っていなかったが、菅首相は中小企業に思い切った再編で踏み込もうとしている。上場企業には、もっと厳しく要求するでしょう。加えてコロナ禍で株価も下がっていて、企業側もTOBを仕掛けやすい」と親子上場解消は、今後も加速するとみている。

 親子上場している会社は現在、300社近くに上る。中でもグループ会社を多く抱えているトヨタ自動車やイオンなどが、親子上場解消の思惑で投資家の触手が動いているが…。

「トヨタやイオンは全く親子上場解消をやる気がない。トヨタ以外の自動車業界は、コロナ禍の影響で業績が悪く、上場解消したくても体力がない。そこで業界的には、狙いはシステムインテグレーター(SI)。情報システムの構築や、はやりのデジタル化とかを手掛けていて、どこも業績が良く、子会社が多い。また化学業界も再編が進んでいるようで、まだまだなので、これから動きが出てくるでしょう」(山本氏)

 TOB銘柄は、当たれば20~50%の株価上昇も珍しくないだけに、次なるビッグボーナスをめぐって、投資家たちの物色もますます激しくなっていきそうだ。