五輪ボーナスでアベノミクスは第2章に突入

2013年09月10日 16時00分

 1964年の東京開催決定時は東海道新幹線や首都高速道路、大会会場の建設など、インフラを中心に五輪特需で経済が潤い、高度成長につながった。今回も日本経済への好影響は必至と見られる。マネーリサーチ代表・山本伸氏に日本経済への影響を分析してもらった。


「もともと期待優先で進められてきたアベノミクスにとって、東京開催の決定は“大ボーナス”の追い風。『7年後に五輪開催=景気が良くなる』という、国民のマインドをさらに上向かせる材料が増えたことで、景気回復に対する期待は長期間持続する。その結果、消費税引き上げの負担や、物価は上がっても賃金がなかなか上がらないという国民の不満が緩和される可能性が高い。さらに国民の期待が高まったところへ成長戦略を加速させる政策を打ち出せれば、アベノミクスは本格的な景気回復が始まる第2章に突入しそうだ」(山本氏)


 その他、リニア中央新幹線の東京―名古屋間が、2027年開業の予定を繰り上げて東京五輪に合わせる可能性や、国家戦略特区を活用したカジノ建設にゴーサインが出るという見方もある。


 一方で短期的に見た場合、株価については少し冷静になる必要がありそうだ。


「五輪特需は発生するが、五輪特需関連株は先行投資されて株価がすでに上がっており、短期で見た場合には好材料が出尽くした感がある。今日明日はご祝儀相場になるかもしれないが、相対的に見て五輪関連株がすぐに爆発的に上がることはないのではないか」(山本氏)


 株式市場は開催決定前から期待優先の先行投資が行われていたので、開催決定という好材料も、目先は大きく株価に反映されることはなさそうだ。


 しかし、長期的に見れば景気回復への期待が一層高まることで、株価上昇のトレンドはさらに強まる可能性が高い。東京五輪開催決定の報は、日本を“失われた20年”から脱却させる強力なカンフル剤になるだろう。