異色コラボ「ハンバーガー+ドーナツ」

2012年06月14日 12時00分

【〝進化版企業コラボ〟の戦略(1)】

 長引く不況の影響で、小売や外食産業の競争が激化している。消費者の心をつかむため、各社さまざまな対策を講じており、企業同士のコラボもおなじみとなった。そんななか、最近はハンバーガー&ドーナツ、アイスクリーム&フレグランスなど、斬新なマッチングで新規顧客獲得を狙う〝進化版企業コラボ〟が目立つ。各社の戦略を取材した。

 ハンバーガーチェーンとドーナツチェーンは、ファストフード業界でライバル関係にあるのかと思いきや、それぞれの強みを生かした両社の相乗効果で、集客に結び付けている店舗がある。

 モスバーガー&ミスタードーナツがコラボした「MOSDO(モスド)」がそれで、2010年に広島、11年に京都、そして今年3月には東京・恵比寿に出店した。なかでも関東初進出となった恵比寿では、週末などに行列ができる人気店となっている。

 そもそもモスバーガーを展開するモスフードサービスと、ミスタードーナツを運営するダスキンは、08年に資本・業務提携しており、同年と翌年に共同コンセプトの商品を発売している。モスはドーナツ形パティを使用したハンバーガー、ミスドはハンバーガー形ドーナツといったユニークなコラボで、大いに話題を呼んだ。

「原材料が高騰するなか、販促・物流を共同化してコストカットを図る目的で提携を行いましたが、当初から新規商品の共同開発や合同店舗の展開も予定していました」(モスフードサービス)

「MOSDO」1号店の広島では、両社それぞれの商品を販売し、ハンバーガーとドーナツのセットメニューなども展開する。2号店の京都では、広島とはコンセプトを変え、モスがサンドイッチなどのフード、ミスドがクッキーサンドなどのスイーツを開発し、オリジナルメニューを販売した。特筆すべきは両社の看板メニューであるハンバーガーとドーナツを取り扱っていないことだ。

「将来的なフランチャイズ展開を視野に入れ、モスともミスドとも競合しない店舗開発を試みました」(同)

 それらの知見をもとに満を持してオープンした恵比寿は、モスだけではできなかったことや、ミスドだけでは生まれなかったものを具現化した店舗だ。両社が持つ温かみをベースにした店内で、野菜をトルティーヤで巻いた「モスドの花束サンド」(390円~)、ブッセ生地で求肥をサンドした「モスドのいちご大福」(220円~)など、オリジナルメニューを取り揃えた。

 過去に菓子メーカー・栗山米菓の「ばかうけ」、玩具メーカー・タカラトミーの「リカちゃん」などとコラボしているモスフードサービスは、現在も東ハトと共同で開発したスナックを販売中で、企業コラボに積極的だ。6月1日からは日本航空とのコラボで、JAL国際線欧米路線の機内食として「AIR MOS ライスバーガー」を提供するなど、今後も目が離せそうにない。

※続く