イカ不漁の背景に北朝鮮、中国の乱獲

2020年01月08日 10時00分

 昨年の不漁で、年末年始のイカが「高すぎ」という声があちこちで上がった。原因とみられる北朝鮮、中国の乱獲をめぐり、日本側の対応の甘さが指摘されている。

 あたりめの価格は3倍以上に跳ね上がり、他のイカ加工食品にも影響している。イカの世界漁獲量は1980年に総漁獲量136・5万トン、うち日本が半分ほど占めていたが、2015年には3倍の431・1万トンに増え、圧倒的に中国が占めている。

「現在日本は韓国に次いで7位。イカはヘルシーというイメージが広がって食べる人が増え、世界各国で需要が伸びた。中国は人口増に伴う食料事情もあり、違法操業が横行し、イカを取り尽くしている」(水産庁関係者)

 漁場は日本の排他的経済水域(EEZ)内で石川県能登半島沖約300キロにある大和堆や、北海道の西方沖の武蔵堆という海域だ。

「16年ごろから北朝鮮の漁船による違法操業が急増し、海上保安庁と水産庁が警告した漁船は8000隻を超えた。昨年も大和堆周辺で北朝鮮漁船の違法操業が相次ぎましたが、大和堆西側では数百隻の中国漁船が乱獲する現場が目撃されている」(漁業情報センター)

 北朝鮮の漁船の規模は200トン弱と小型だが、中国の漁船は500トン以上がほとんどで、1000トンの大型漁船もある。しかも“2そう引き”といって2隻の船が対になって網を引く手法を使う。

「2そう引きで根こそぎ資源を持っていってしまう。しかも、水産庁の取り締まり船は北朝鮮の漁船に対しては退去命令を出したり、放水したりして退去させるんですが、中国漁船に対しては、危険だとして日本側の漁船が海域から出ていくように指示される。おかしな話ですよ」(漁業関係者)

 中国漁船が数百隻目撃されているにもかかわらず、摘発されるのはごくわずか。

「中国漁船は国ぐるみの海洋戦略の一環という見方もあり水産庁も海上保安庁も手をこまねいているのかもしれませんが、我々は死活問題ですよ」(同)

 漁業関係者や日本国民のために早急に有効な対策が必要だ。