第8回ブラック企業大賞2019の授賞式が23日に都内で開かれ、大賞に三菱電機(メルコセミコンダクタエンジニアリング)が選ばれた。同社は昨年に引き続いて2年連続の大賞となった。

 同社への授賞理由は、2017年に子会社であるメルコ社で技術者が自殺し、19年に但馬労働基準監督署によって長時間労働による労災であると認定された件が主だ。同賞実行委員の佐々木亮弁護士は「史上初の2年連続大賞をどう思っているのか。今日来ていただけなかったのが残念です」とうなった。

 この1年間でさまざまな話題を提供した吉本興業は受賞ならず。関係者が来場することもなかった。

 特別に設けられた#MeToo賞には「長崎市」が選ばれた。関係者は来場していない。07年に女性記者に対して同市幹部が性暴力を振るう事件があり、19年になって女性記者が損害賠償を求めて同市を提訴していた。女性記者は授賞式にメッセージを寄せ、「今も通院している」と告白。記者の仕事にも戻れていないという。

 過去にノミネートされた企業が現在どうなっているかの報告もあり、有給休暇を取れなかった会社が取れるようになったなどと、同賞をきっかけにいい方向に変わったケースもあるという。

 来年は東京五輪・パラリンピックがあり、その負の側面にスポットが当たりそうだ。