アリババ「独身の日」セールの眉唾

2019年11月12日 16時15分

「独身の日」セールでアリババグループの取引額が2684億元に達したことを示す電光掲示(ロイター)

 中国「独身の日」セールでケタ違いの売り上げが話題になっているが、話半分としておいた方がいいのかもしれない。

 中国では独身の日と呼ばれる11日、インターネット通販各社による毎年恒例の値引きセールが行われた。最大手アリババグループの取引額は過去最高だった昨年の2135億元(約3兆3000億円)を大きく上回り、2684億元(約4兆2000億円)に達した。

 米中貿易摩擦で中国経済の先行きに不透明感が漂う中、巨額値引きなどの販売促進策が消費者の購買意欲を刺激した。開始から1分36秒で取引額が100億元(約1500億円)、1時間3分後には1000億元(約1兆5000億円)を超え、いずれも過去最速だった。

 アリババは通販サイトに出店する企業やブランドとともに過去最高の500億元分を値引きし、出店各社も限定品や新商品100万個以上を投入。アリババのセールには過去最多となる20万以上のブランドが参加した。

 独身を意味する「1」が4つ並ぶことから11月11日を中国では「独身の日」とし、アリババが09年に特売を始めた。

 中国人ジャーナリストの周来友氏はこう語る。

「世界的に盛り上がりを見せていますが、その見方には注意も必要です。昨年、虚偽の値下げが問題になったのです。ECサイト(ネット販売サイト)に出店していた業者がセール前日に急な値上げを行い、セール当日に50~80%という大幅な値下げを行っていたことが分かったのです」

 今年は当局の指導により、ECサイト側もセール直前の値上げを認めない方針を打ち出した。

 また、周氏は「今年、過去最高の売り上げを記録したアリババですが、例年、このセールで取引された商品の60%が返品されているのです。実はセール終了後、消費者が冷静になって、買い過ぎた商品を返品するからです。毎年3兆円以上を売り上げているとのことですが、実際の売上額は4割程度でしょうか。それでも、中国人の消費意欲がまだまだ高いことを証明していますね」と指摘している。