奇抜デザイン「中銀カプセルタワー」見学会が大人気

2019年11月12日 08時00分

 東京・JR新橋駅から徒歩8分のところにそびえ立つ中銀カプセルタワーの見学会がにぎわっている。設計したのは、日本建築界の巨匠・故黒川紀章氏だ。

 1972年に竣工された中銀カプセルタワーは、世界で初めて実用化に成功したカプセル型の集合住宅(マンション)で、総戸数は140戸ある。部屋が老朽化した場合は、カプセルごとに交換することができるように造られている。

 室内は約10平方メートルほどで、壁にはブラウン管を使ったテレビやオープンリール式テープレコーダー、ラジオなどがはめ込まれている。また、取っ手を引くことによって机を出すこともできる。現在は、テレビやテープレコーダーを使うことはできないが、このような部屋が残されていることは大変貴重だ。

 見学会は“竣工当時のままの部屋”を見られることがSNSや口コミで広がったことで、多くの人が足を運ぶようになった。

 実際に使われていた部屋の中は近未来的な内装となっている。見学会を主催しているのは前田達之氏を代表とする「中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト」だ。

 前田氏は「このような部屋は2室しか残されていません。他の部屋は、リフォームされています。今は保存される方向に向かっています。ミニマリズムやタイニーハウスが注目されるようになったことも保存活動の後押しとなりました。みなさんが見学してくれることによって、この建物の良さを理解してくれる人が増えました」と語る。

 そもそも中銀カプセルタワーは、ビジネスマンのセカンドハウス・オフィスとして造られた。そのため、ベッドやエアコン、冷蔵庫、テレビ、ラジオ、電話、オープンリール式テープレコーダー、収納スペースなどが完備された。キッチンや洗濯機置き場はない。外食が想定されていたのだ。洗濯はコンシェルジュに頼むことができた。

 年内では11月24、30日、12月7、15、22日と見学会は続く。スケジュールは同プロジェクトのホームページにアップされている。