女性に受けるか世界最大〝メガ飲み口〟

2012年06月11日 12時00分

 世界最大となる〝メガ飲み口〟を採用した新ジャンル(第3のビール)の新商品「アサヒダイレクトショット」が5月29日に発売された。約1・3倍の飲み口&120%の刺激で、従来にない爽快感を味わえる同商品の開発秘話を、アサヒビールの容器包装開発部・関亮一氏(34)、マーケティング本部・岡村知明氏(30)に聞いた。

 若者のビール離れが進み、出荷の減少傾向が続く厳しいビール業界で、比較的堅調なのが新ジャンル。アサヒビールによれば、2011年のビール類課税出荷数量は、ビールが前年比95・7%、発泡酒同88・8%、新ジャンル同107%と、新ジャンルのみ前年超えしている。

ノンアルコールビール「ドライゼロ」、黒ビール「スーパードライ ドライブラック」に続き、新たな市場を創造すべく第3弾として投入するのは、新ジャンルの新商品「ダイレクトショット」。同社の既存新ジャンル商品と比べ約1・3倍の広さの飲み口を採用したことにより、120%の刺激を実現したのがウリだ。世界最大となる〝メガ飲み口〟はいかにして生まれたのか?

 同社の調査では、節約志向や自粛ムードなどで〝家飲み〟機会が拡大。震災以降は心身のリフレッシュ願望が高まり、客が酒類に求める価値はリフレッシュや気分転換が上昇傾向にあった。

「そのようなニーズを満たす〝刺激的で爽快なビール類〟として、刺激をダイレクトに実感できる商品の必要性を感じ開発に着手しました」(岡村氏)

 一方、お客様相談室に寄せられる意見で容器に関するものでは「飲み口を大きくしてほしい」という要望が多かったことから、より刺激を感じられるように、飲み口を広げることになった。

 コンセプトは決まったものの、苦労したのは缶の開発。開口部分の口金が本体に付いたまま内部に押し込まれるステイオンタブ缶ぶたとして、世界最大の飲み口だが、この大きさに至るまで2年の歳月を要した。

「すぐにできると思っていましたが、技術的には非常に難しく、タブが開かなかったり、途中で切れてしまったりして、予想以上に苦戦しました」(関氏)

 缶切り不要のプルトップ缶はテコの原理で開口するが、通常、缶容器の飲み口は左右非対称であるのをご存じだろうか? 非対称だからこそタブを押し込む時に特定部分からスコア(開口部を切断するための溝)が切れ始め、開口できる仕組みとなっており、飲み口が大き過ぎるとうまく開口できないのだ。

「どうせやるなら世界一の大きさを目指したいと思い、試行錯誤を重ねた結果、通常缶の約1・3倍に当たる世界最大の飲み口に落ち着きました。本音をいえば、もっと大きくしたい気持ちもありましたが…。飲料の花形は中身ですが、容器屋としては今回のように缶容器が注目されることにより、ビール業界全体が盛り上がってくれるといいですね」(関氏)

 世界一大きい〝メガ飲み口〟を採用したことで、一気にゴクッと飲めて、口からノドへダイレクトに流れ込む。さらに、高めの炭酸ガス圧、より刺激を感じられる香味バランス、原料配合の調整により、同社の新ジャンル「クリアアサヒ」の炭酸ガス圧を20%高めたものと同等の刺激感を可能にした。

「単に刺激を付与するだけではおいしさと両立できず、刺激感と味わいを兼ね備えるのに苦労しました。ビール類に刺激や爽快感を求める、缶飲みメーンの30~40代男性に特に飲んでほしいです。缶飲み文化を定着させることで、缶から直接飲むのは恥ずかしいと敬遠しがちな女性にも楽しんでもらいたいですね」

 岡村氏の期待通り、女性にも〝メガ飲み口〟が受け入れられるか注目だ。